ドラゴンズ松坂大輔が秘密の特打ち&ママチャリ移動!スワローズの長い長い一日/キャンプレポ3日目
―[プロ野球キャンプ2019]―
一昨年96敗を喫した最下位から、昨年は2位に浮上したヤクルトスワローズ。あとひとつ上を目指すチームを朝から夕方までじっくり追いかけてみた。
午前9時10分:晴天の浦添は野球日和。メイン球場への坂道をくだると、正面につば九郎神社が待ち構える。日曜日とあってつば九郎詣は朝から賑わっていた。
午前9時15分:早朝バッティング組の5選手が、ボールではなくバットを飛ばす変わった練習をしていた。タイミングよく手を離すとバットは正面遠くに飛んで行くが、タイミングを間違えると右打者は左方向に、左打者は右方向に、引っ張った打球のようにバットが切れていく。このバット投げは「いろんな意図があるけど選手のストレス発散の一環もある。こういう“遊び”も取り入れながら(長いキャンプを)乗り切らないとね」(石井打撃コーチ)
同時刻:今年から背番号00となった奥村展征を筆頭に、4選手がショートのポジションで特守。この奥村はドラフト指名を受け18歳で巨人に入団したものの、NPBのFA制度の人的補償措置によりプロ1年目のオフに最年少(19歳)でスワローズに移籍してきたキャリアを持つ。捕球するときに左足が前に出過ぎてしまう奥村の癖を、宮本慎也ヘッドコーチに矯正されながら、ノックは30分以上続いた。
石井・宮本両コーチは今年49歳になる同級生コンビ。現役時代は守備の名手としてのみならず、打撃でも2,000安打を記録しているレジェンドコーチ。朝の特打、特守からレベルの高い指導に野球ファンは大喜び。グラウンドにはキレイな虹がかかった。
午前11時01分:ポール間走10本、ベースランニングなど走る系のメニューがたっぷり1時間以上。
その後キャッチボール開始。野手全員が大きな声を出しながら、短時間でグングン距離が伸びていく。昨日のファイターズ同様、このチームもキャッチボールはメジャー流の時間配分だ。
すると日米通算201勝の野茂英雄氏が、お隣のドラゴンズのキャンプ地にいるとの一報。かつてお世話になった身分として、ご挨拶は欠かせない。スワローズキャンプを中抜けして、北谷球場へ車を走らせた。
午前11時50分:与田新監督率いるドラゴンズキャンプはすごい人だかり。この日は球団史上最多となる5,500人の大観衆を記録した。駐車場探しにひと苦労しながら球場へ着くと、なんと野茂氏は10数キロ離れた2軍球場へ向かったあと。野茂氏訪問は空振りに終わったが、気を取り直して松坂大輔に注目することに。
午後1時15分:ランチを終えた松坂が、バットとともに自転車で室内練習場へ。報道陣をシャットアウトした打撃練習は1時間以上も続いた。
同じく室内で打撃練習をしていた中日の主砲ビシエド
「マツザカのバッティングは素晴らしかったよ。この時期に投手が打撃練習をするのは珍しい。チームにはいいことだね」
午後3時00分:全体練習終了のタイミングでドラゴンズ与田監督にご挨拶。「明日は来ないの? またいつでも来てよ。取材大歓迎だよ」
嬉しい言葉に気を良くしながらスワローズキャンプ地へトンボ帰り。
午後3時30分:まだまだ当分、練習が終わる気配なし。午後4時10分に一旦、全体練習が終了となったが、これから日没まで、地獄の個別練習がはじまる。
午後4時30分:打撃、守備、走塁それぞれの担当コーチが指名した選手が、キャンプ名物の特打ち、特守へ。われわれは今朝の特守4選手とショートの座を争う西浦直亨、太田賢吾の特守を取材。宮本ヘッドの容赦ないエンドレスノックに、今シーズン日本ハムから移籍してきた太田が足をつるアクシデント発生。これには先輩の西浦が「一昨年の秋の宮本コーチはこんなもんじゃなかったぞ」とゲキを飛ばす。
午後5時35分:特守終了。宮本ヘッドコーチ
「ショートのポジションは昨年130数試合でた西浦が一歩リードしているが、レギュラーはまだ固まっていない。今日は朝から夕方までノックを打ちまくったけど、毎日だいたいこれくらいの量は打っている。西浦以外の選手たちにもレギュラーの可能性はあるから、頑張ってほしいね」
明日はキャンプ4日目、われわれ取材班の沖縄最終日。天気は雨と微妙な予報だが……
(文/写真:日刊SPA!2019プロ野球キャンプ取材班)
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