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「かぼちゃの馬車」で2億5000万円の負債を背負った男の後悔

 銀行ローンを組んでの不動産投資に失敗。多額の借金を抱え、藁にもすがろうと任意売却に望みを託す人がいる。しかも今、社会問題にもなったかぼちゃの馬車問題の被害者からの売却依頼が殺到しているという。
山本さん

「もう不動産投資はこりごり」と肩を落とす山本さん。言葉の端々からスルガ銀行と不動産仲介会社への怒りがあふれた

「かぼちゃの馬車」で億単位の負債を背負った男の後悔

 年収1000万円超のエリート会社員、山本雄二さん(仮名・55歳)もその一人である。 「今年の初めに不動産仲介会社から不動産投資の話を持ち掛けられました。月々の住宅ローン返済額を差し引いても、毎月30万円以上の利益が出るという話でしたが、ふたを開けてみれば月50万円のマイナス。住宅ローンの残債は2億5000万円にも及びます」  不審に思った山本さんが購入した物件を見に行くと、目を疑う光景が広がっていたという。 「購入した物件はすでに満室という触れ込みでしたが、実際はほとんど入居者がいませんでした。それどころか部屋は荒れ果て、とても人が住める状態ではなかった。 事前に物件確認をしろと言われればそれまでですが、『地銀の雄』と名高いスルガ銀行からの借り入れだったため、信頼しきってしまったのが運の尽きでした。スルガ銀行は恐らく融資資料の改ざんも行っていたはず。自分たちの利益のため、私に不良物件の審査を通したのでしょう。  ボロボロの物件に必要な修繕費は4000万円。さらに負債を背負う余力などなく、今は金利を引き下げてもらって一時しのぎをしていますが、それも1年間のみ。任意売却を前提に、資金繰りに奔走しています」  別に保有していたマンションも売り払ったという山本さん。悔やんでも悔やみきれない借金だ。 ― やってはいけない借金白書 ―
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