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「ふるさと納税」でAmazonギフト券を返礼品にした泉佐野市長、総務省の規制に大反論

後出しジャンケンで規制をかけてくる総務省のほうが身勝手

アマゾンキャンペーン

5月末まで開催中のアマゾンギフト券のキャンペーン。泉佐野市の直営サイト「さのちょく」から申し込める

――2月から3月末まで実施していたアマゾンギフト券のキャンペーンを、新制度開始直前の5月末まで再開させており、総務省に対する「挑発」のようにも映った。総務相も怒りを露わにして「身勝手」で「教育的、社会的に悪影響を与えている」と泉佐野市を名指しで批判している。 千代松:後出しジャンケンで規制をかけてくる総務省のほうが身勝手で、教育的にも社会的にも悪影響を与えていると思います。後出しジャイケンが悪いことということは幼い頃に学ぶはずですが、大臣や霞ケ関の役人の方たちはそれを学ばなかったようですね……。 そもそも、アマゾンギフト券のキャンペーンを再開させたのは、総務省の方針に異を唱えたいからでも、制度から外される公算が高くなったのでギリギリまで引っ張ろうと考えたからでもありません。期限の3月31日に寄付が集中したことでサーバーに負荷がかかりアクセスできなかった方が多かったのと、キャンペーンを続けてほしいという要望が多数寄せられたため、混乱を避けるために暫定的な措置として再開したのです。 また、制度が変わることで、これまで携わってくれた民間事業者などが一度に職を失うというリスクもケアしなければいけなかった。 ――関西国際空港開港に伴う公共施設の過剰投資が原因で、泉佐野市は2009年に「財政健全化団体」に指定された。2011年に千代松市政がスタートし、職員の大掛かりなリストラを断行したことで、わずか3年で財政健全化団体から脱出したが、ふるさと納税の寄付集めに熱心なのは、こうした過酷な財政状況が背景にあるからか。 千代松:1期目には市長の私が給与の40%を、職員も8~13%を削減し、現在でも4~9%のカットが続いています。職員の数も大幅に減らしましたが、再び財政健全化団体に逆戻りできないという思いで、全職員一丸となって頑張ってくれています。 財政健全化団体に転落しても国は一切手を差し伸べてくれませんから、私どもとしては、財政を立て直すためにあらゆる手段を模索するのは当然のことなのです。増えた収入は行政サービスで還元していて、市内の小中学校3校に新たにプールを設置したほか、財政難で中止になっていた花火大会の開催や、独立行政法人化した病院の財政支援なども行えるようになった。 昨年の台風21号では本市も甚大な被害を受けたのですが、住宅改修支援制度を新設し、家の被害を修繕した世帯に10万円を支給しています。財政健全化団体のままだとこうはいきませんでした。
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ふるさと納税制度は財政再建の「切り札」
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