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タワマン内のコンビニ店員が嘆く住人のムチャな要求「毎朝ヨーグルトを届けて」

「コンビニが好きすぎて、コンビニに転職しました」……そう私が言う度に好奇の目に晒されてきた。周囲の人曰く、私はちょっとおかしいのだそうだ。しかし私は本気だった。「大好きなコンビニに1日8時間もいれて、さらにお金までもらえるなんて!」と本気で思っていた。そんな私は約2年間、某コンビニチェーンの直営店で店長を務めていた。  コンビニにはさまざまな客が来る。その中には明らかにムチャなことを押し付けてくる“迷惑な客”だって少なくなかった。今回はタワーマンションの住民専用の店舗で目の当たりにした驚くべき要求をご紹介したい。
コンビニ

※画像はイメージです(以下同)

「毎朝ヨーグルトを私の部屋まで届けてくれるわよね?」

 私は一時期、ヘルプで都内人気エリアのタワーマンション内にある住民専用の店舗に勤務していた。最上階は数億円とも噂される49階建ての高級タワーマンションだ。きっとセレブで上品なお客ばかりでラクに違いない……コンビニのものを買う習慣もなさそうだし……そんな考えは初日から覆されることとなる。  ヘルプ初日に店にやってきたのは裕福そうな身なりの40代女性だった。ヨーグルトを吟味していたと思ったら、レジでお会計と同時に私にこう言った。 「このヨーグルトを私は毎朝食べたいのよ。毎朝これ、私の部屋まで届けてくれるわね?」  マンション内にあるコンビニの店舗はそこまで混雑することもなく基本はワンオペである。とはいえ、清掃や納品、ホットフードの調理に発注など業務は多岐に渡る。決してヒマなわけではない。  ワンオペのため、当然トイレも行けない。どうしてもの時は客がいないタイミングにダッシュで廊下を10メートルほど行った住人用共有トイレに行き、30秒以内に戻るようにしていた。 「申し訳ありませんが、そのようなことは致しかねます」  そう伝えると、なぜか本部のお客様相談窓口にクレームが入ったらしい。上司が間に入り、「毎日指定の銘柄のヨーグルトを切らさないで品揃えする」ということで話は落ち着いた。

「キーをかざせば部屋付支払いになるかしら?」

 さらに別の日、全身に「FFFFFFF」と某ブランドのロゴが施されたワンピを着用し、ごっつい大きな指輪を付けた年齢不詳のご婦人が来店した。値札がなくても値段を気にせず買う姿など(※値札のつけ忘れは店側のミスだ)はまさにセレブそのもの。そして彼女はレジで私が「合計8点で3280円です」と伝えるとこう返した。 「部屋のキーかざせば部屋付支払いになるかしら?」 カギ ……そんなシステムはたとえ最新レジにもついているわけがないだろう。リゾートにあるような高級ホテル感覚なのだろうか。もちろん、ここはホテルではなくマンションなわけだが。
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