更新日:2023年03月21日 16:02
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長澤まさみ主演ドラマが映画に。詐欺師みたいに女性のハートを盗むには? /『コンフィデンスマンJP』

―[モテる映画工学]―
~藤沢数希のモテる映画工学『コンフィデンスマンJP』~
コンフィデンスマンJP

©2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会

こんなナンパで女のハートを盗みたい! 天才恋愛詐欺師ジェシーに注目

 ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)、五十嵐(小手伸也)は、悪徳ビジネスで稼ぐ人たちから巨額を騙し取っている天才詐欺師たち。今回は、香港マフィアを束ねるミステリアスな美女ラン・リウ(竹内結子)から時価数百億円のダイヤを盗み出す。そこに、かつてダー子たちに巨額を盗られた日本のヤクザの赤星(江口洋介)の影が忍び寄る。  そして、天才恋愛詐欺師のジェシー(三浦春馬)も加わり、騙し騙されの詐欺師同士の壮絶なコンゲームが香港を舞台に始まるのだった。  人を騙すには、まずは人に信用されないといけない。そこで、詐欺師たちはさまざまなテクニックを使って人の心に忍び込んでいく。金持ちは、自分がカネを持っていることを知って近寄ってくる人を警戒する。だから、そうとは知らず、偶然にも知り合うきっかけが必要である。たまたま道を聞いたりしてちょっと会話した人と、別の旅行先で偶然にも再会する。これは恋愛でも同じだ。女性は婚活パーティや出会い系アプリで知り合うより、映画のような素敵なアクシデントで白馬に乗った王子様と出会いたい。  僕は正直、苦労して金持ちになった人たちから、自分たちの理屈で勝手に悪徳ビジネスと決めつけカネを騙し取る義賊気取りのダー子たちにはあまり共感しなかったのだが、彼らの倫理では詐欺師にも貴賤があり、最も蔑むべきは人の愛につけ込んでカネを騙し取る詐欺師だという。しかし、僕はその恋愛詐欺師のジェシーの自信溢れる身のこなしや、その技術に大いに感心した。現実の世界で人のカネを騙し取れば刑務所に入ることになるが、女のハートならどれだけ盗んでも犯罪にはならないのだから。
●『コンフィデンスマンJP』 2018年4月〜6月にヒットした同名ドラマ(フジテレビ系、月9)を、同じ主要キャストで映画化。2019年5月17日より全国ロードショー
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
コンフィデンスマンJP
配給/東宝 監督/田中亮 脚本/古沢良太 出演/長澤まさみ 東出昌大 小手伸也 小日向文世ほか
5月17日より全国公開
©2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会
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