恋愛・結婚

男は手に入れた女を愛せず、女は自分を好きにならない男が好きになる/映画『愛がなんだ』

―[モテる映画工学]―
~藤沢数希のモテる映画工学『愛がなんだ』~
愛がなんだ

©2019「愛がなんだ」製作委員会

男は手に入れた女を愛せず、女は自分を好きにならない男が好きになる

 ウェブ制作会社に勤めるテルコは、飲み会で田中守に出会う。マモちゃん。彼はちょっとイケメンの文系男子。自然な流れで一人暮らしのマモちゃんの家に行き、抱かれる。マモちゃん、なかなかの手練だ。そして、テルコは彼のことが思いっきり好きになる。 「女はセックスした男を好きになる」という恋愛工学でお馴染み「セックストリガー理論」のとおりだ。テルコはもうマモちゃんしか見えない。仕事中も、いつもマモちゃんから呼び出されないかとスタンバっている。呼ばれると、仕事を放り出してマモちゃんのところに飛んでいくのだ。  この映画は、主人公テルコのダメ恋愛を切なくも美しく描いた映画である。  しかし、マモちゃんは不思議なことに、ガサツで年増でテルコよりも全然可愛くないすみれさんに恋をしている。テルコの親友の葉子は、自分に好意があるナカハラ君をいいように利用している。そんなナカハラ君はテルコと「ストーカー同盟」を結成したりする。ああ、愛し、愛されることがどれほど難しいのか……、思わずため息が出るシーンの連続だ。神様は、どうやら人間が恋愛で幸せになれないように、我々の心をつくったようだ。  まあ、このへんを逆手に取って異性を攻略していくさまざまなメソッドを開発してきたのが、恋愛工学なのだけれど。  マモちゃんのように、出会ったときはあからさまな好意を示さず涼しい顔して会話したり、ちょっとディスったりするのも効果的。たまに気のあるそぶりも見せる。会話の最後に連絡先を交換する。そして、一緒に居酒屋なんかに飲みに行く約束をする。これで恋が始まるのだ。
―[モテる映画工学]―
理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。メルマガ「週刊金融日記」は読者数1万人、ツイッターのフォロワーは14万人を超える。最新刊『損する結婚 儲かる離婚』が発売中
愛がなんだ
配給/エレファントハウス 監督/今泉力哉 原作/角田光代 出演/岸井ゆきの 成田凌 深川麻衣 若葉竜也ほか
4月19日より公開
©2019「愛がなんだ」製作委員会
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