ニュース

警視庁も重大関心。神戸山口組を揺るがす在阪組織トップの住民票事件

「井上組長には早く引導を渡してほしい」

 この“住民票移動”は、たちまち神戸山口組幹部の知るところとなった。噂を聞きつけ激昂したのは、神戸山口組で副組長を務める入江禎・二代目宅見組組長だ。  神戸山口組に近しい暴力団関係者はこう語る。 「入江組長からすれば、『他所の組織に守ってもらうほど身内を信用していないのか』となる。しかも、住民票の話は大阪の組織だけでなく岡山の独立組織にも打診していたようで、呆れ返っていました。入江組長は即座に抗議し、住民票は結局、元に戻ったようです。  神戸山口組は先日も総本部長という要職にあった正木年男組長の辞任劇がありましたが、正木組長に続いて入江組長も組織運営から外れることになるかもしれません」  現場レベルの受け止め方は、より辛辣だ。神戸山口組三次団体幹部はこう語った。 「分裂当初から身辺警護に駆り出されたり、一時金を用意しろと言われたり。上の要求はエスカレートする一方でした。当初、井上組長が涙ながらに語っていた『若い者のために神戸山口組を立ち上げた』という建前を信じてる組員はもういません。上層部が自己保身しか考えていないことは明白で、井上組長は山健組の資産を息子名義に書き換えたりしてるとさえ聞いてます。  早く引導を渡してほしい。一日も早く終わってほしい。下の人間は、誰もがそう思っています。山健組を継いだ中田広志組長は、暴走する井上組長と不満に爆発寸前の現場の板挟みに合ってるはず。難しい立場だと思いますが、下の人間は我慢の限界をとうに超えています」  潤沢な資金を持ったまま逃げ切れる井上組長と、そうでない若い世代の埋めがたい断絶――神戸山口組で起きる内部崩壊は、まるで日本の縮図のようだ。果たしてどのような結末を迎えるのか。 取材・文/日刊SPA!編集部
1
2
おすすめ記事