大好きだったランエボを売ってラングラーに乗り換えた理由
担当K:ランエボは高く売れたんですか?
職人:ええ、おかげさまで、ほぼ相殺で買えました。
担当K:すごいっ!
永福:つまり、買った時よりぜんぜん値上がりしたってこと?
職人:ランエボの中古価格は確実に上昇中で、「あと5年乗ってれば300万円になるよ!」とも言われましたけど、そうすると走行20万kmを軽く突破してしまうので……。
担当K:うーん、カーマニアとして、いろんな葛藤があったんですね。
職人:一番の決め手は、息子が「またオフロードコースに行きたい」ってつぶやいてくれたことです。親子の愛ですよ!
永福:その気持ちはわかるけど、サーキット育ちの職人が、舗装路じゃ真っすぐ走らないリジットサスのオフロード車でいいわけ?
職人:我々の年代はスーパーカーブームが原点だと思われがちですが、僕の場合は物心ついて最初に描いたクルマの絵はジープでした。それにこれで息子と河原などで四駆ごっこしたり、バーベキューしたりと、とっても楽しみなんですよ!
担当K:娘さんは思春期で、パパのことは無視ですからね。息子さんが唯一の恋人って、モテないカーマニアとしてはアリな展開ですね。
永福:ところで、走った感じはどうなの?
職人:まあ、乗ってみてくださいよ。
ということで、かわるがわる試乗したところ、見る目が変わった!
担当K:感動しました! すっごく手強いクルマなんですね。
職人:2速、入りづらいでしょ?
担当K:ええ。走らせてるだけでドキドキします。こんなにドキドキしたのは、永福さんのカウンタックを運転して以来かも!
永福:いやあ、オレも感動したよ! これはホントに走らせてるだけで面白い!
職人:でしょう? 幌がバタバタうるさいし、80km以上スピードを出す気にならないけど(笑)。
永福:リジットサスならではの直進性の悪さが、でっかいタイヤで増幅されて、頑張って90kmまで出したけど、それでもう鼻血が出そうだった! 悪路を走ってなくても悪路を走ってる気分になれる!
担当K:カーマニアにとっては、運転しづらければしづらいほどいいクルマですからね! で、燃費はどれくらいなんですか?
職人:高速でリッター7km、一般道は5~6kmですね。
永福:思ったよりいいね!
職人:でしょう?
担当K:うちでは、長距離のロケでの使用は禁止します。
【結論!】
カーマニアは、決していいクルマが欲しいわけじゃない。濃ゆいクルマが欲しいのだ!新しいラングラーもいいけど、古いラングラーはさらに本物感満点、やってる感満点でした。
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
試乗したら、見る目が変わった!
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