ライフ

イライラ、無気力…女性の約8割が悩む「女子うつ」とは?

女性の8割が悩む「女子うつ」のケア

腹痛

※写真はイメージです

 生理前になるとイライラする、怒りっぽくなる、悲しくなる、無気力、抑うつ、絶望感を感じたりとさまざまな症状を抱える女性は多い。男性からすると、なかなか実感しにくい現象のため、どうしていいかわからないのも事実。そこでこれらの症状を「女子うつ」と名づけ研究を重ねている、女性ホルモン専門家の西村留美氏に話を聞いた。 「生理前に表れるこれらの不快な精神状態は、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれています。生理によってホルモンのバランスが崩れることが主な原因と考えられていて、女性の実に約8割が何かしらの症状を抱え、生理前の毎月10日ほどの期間、本調子ではないのです」  8割ともなれば、ほとんどの女性が女子うつに悩まされているということになる。 「日本ではまだPMSやPMDDという名称を知っている女性も少ないのですが、これらを男性も認知することが男女お互いの生きやすさに繋がるはずです。女性はホルモンの変動の影響を大きく受け、それに伴い心身が変化するということを周囲の男性が理解してくれるだけで、特別な対応がなくても女性の安心感はまったく違いますよ」  具体的に会社で働く部下や同僚が女子うつに悩んでいる場合、男性に何かできることはあるのだろうか? 「男性側から聞くとセクハラと捉えられる可能性もあるデリケートな話題。生理はまだタブーとされている風潮もあり、男性から何か働きかけるのは難しいかもしれませんね」  それでも改善できるポイントはあると西村氏は話す。 「理想は気軽に症状を言える信頼関係を築き、適切な対応ができるのがベストですが、実際のところ、女性からも男性には伝えにくい。それなら男女ともに理由を問いただすことなく休みやすい社風にしたり、リモートワークを導入するなど、まずは労働環境を改善していくことが第一歩ですね」

<女子うつの症状>

●PMS(月経前症候群) Premenstrual Syndromeの略。生理の3~10日前頃から心身に表れる不快症状。女性の約7~8割が経験しているが、症状は比較的軽度であるため日常生活への影響は少ない ●PMDD(月経前不快気分障害) Premenstrual Dyspholic Disorderの略。PMSに比べて精神的な症状が強く、日常生活に支障をきたすことが多い。アメリカでは2013年にうつ病の一種と認められた 【西村留美氏】 女性ホルモン専門家。セラピストとして培った経験を生かし、1万5000人以上の女性のホルモンの悩みに向き合ってきた。近著に『女子のうつ PMSがラクになる本』(飛鳥新社) <文/週刊SPA!編集部>
おすすめ記事
ハッシュタグ