仕事

40代・格差社会の明と暗。マイルで週末旅行する人、サービス残業で1ヶ月休めない人…

―[新格差社会の闇]―
 一部の富める者だけが甘い汁を吸い、その他大勢が負け組と化す――。作家・橘玲氏が新刊『上級国民/下級国民』で描いた現実は、日常のあらゆる場面を侵食している。
新格差社会の闇

年齢的に転職も諦めサービス残業の地獄に耐える藤田さん

働き方改革は大手だけ? 下級国民の悲惨な労働事情

 8月、厚労省の若手官僚が業務改善を求めて緊急提言。働き方改革を推進する省庁のブラックぶりが明らかになる事態は皮肉だった。 「若い頃は激務でしたが、今は働き方改革で改善され、雑務も部下任せ。最近は残業ゼロですね」  そう語るのは年収2000万円を超す大手商社マンの倉山毅さん(仮名・41歳)。仕事柄、飛行機に乗る機会が多く、たまったマイルで旅行を楽しんでいる。

ファーストクラスで優雅なひと時を満喫する倉山さん

「1年で10万~20万マイルたまるので今年のお盆はファーストクラスでアメリカに行ってきました。仕事だとビジネススクラスだから一度乗ってみたかったんです(笑)。普段も赴任先はイスラム圏で安息日の金曜が半日勤務のため、週末、ヨーロッパに小旅行をよくします」  ファーストクラスで優雅なひと時を満喫する倉山さん。「休みもしっかり取れるため、盆や正月に海外旅行する同僚が多い」とのことだ。

今もサービス残業や休日出勤が当たり前

 それに引き換え、藤田博さん(仮名・44歳)が働く運送会社の労働環境はまさに地獄。今もサービス残業や休日出勤が当たり前だ。 「お中元やお歳暮シーズンは一日14時間勤務。1か月全く休みがないときもありました。僕からすればお盆に9連休とかしっかり休めるだけで上級国民ですよ……」  転職したほうがいい気がするが、それができない理由がある。

藤田さんの履歴書

「配達中に事故を起こし、100万円以上の修理代を会社に払い終えるまで辞められないんです」  藤田さんはにこれまで転職を重ねてきたが、限界を感じている。 「年齢的に仕事はもう簡単に見つからない」  負い目につけ込まれ、ひどい待遇で働かされている例は多いという。  橘玲氏によると、このような格差拡大は、世界的に進行している。所得の中間層が減り、上と下に分断が進んでいるのだ。  国際NGO「オックスファム」が2018年1月22日に発表した試算では、世界で1年間に生み出された富(保有資産の増加分)のうち82%を、上位1%の富裕層が独占している。もはや「個人の努力」ではなく、社会構造の残酷な変化が起きているのだ。   <取材・文/週刊SPA!編集部>
―[新格差社会の闇]―
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