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長風呂はNG? 下半身寿命を縮める健康法を専門医に聞いた

 よかれと思って取り入れていた習慣が実は健康を蝕んでいたとしたら……。そんな考えたくもない「不都合な真実」が存在する。各分野の専門医に気になる真相を聞いた! ED

チントレや長風呂はNG? 下半身寿命を縮める健康法

 よかれと思ってやっている健康法が、己の男性機能寿命を縮めていることもある。「表立って語られることが少ない分野なこともあり、思い込みや医学的根拠に乏しい“通説”は珍しくありません」と語るのは、東京プレイヤーズクリニックの院長であるDr.TARO氏。 「まず、男性器を炭酸水につけるなどのいわゆる『チントレ』などの精力増強トレーニングは、効果はほぼ実証されていません。下半身の血流をよくすれば勃起力が上がるという一面は確かにありますが、過度な刺激が男性機能に悪影響を与えるリスクもあります。仮にいい効果が出たとしても、それは心因性、つまり“気持ちの問題”である可能性が高いです」  食事面についても、医師ならまず真に受けない健康法は存在する。 「うなぎやスッポンなどの『精力がつく』といわれる食べ物には、確かに栄養はあります。でも、精力向上に必要な摂取量などを考えると、食事だけで効果があるのかは疑問です。実際のところ、男性の不妊治療などでは食事の指導よりも、栄養成分をまとめて取れるサプリなどを処方することが多いです。勃起力を上げたいならED薬を飲んだほうが手っ取り早く回復すると思います」  また、子供が欲しいと考えている男性は注意すべき習慣もある。 「精子は熱に弱いので、長風呂は避けたほうがいいですね。陰嚢を温めると精子の動きが悪くなるため、妊活中は特に避けるべき。また、現代人はずっと座っている生活なので、股間部分に熱がこもって、血流も悪くなりがち。1時間に一回椅子から立って、軽いストレッチをするのは、精子の数を減らさないためには有効な習慣です」 長風呂

石鹸で洗い過ぎも逆効果

 そして、性病の対策についても、間違った一般療法が逆に病気を引き起こしてしまうことも。 「性病を恐れるがあまり石鹸をつけてゴシゴシ性器を洗う人がいますが、強すぎる刺激は逆効果。皮膚にあるバリア機能を壊してしまい、亀頭がはれ上がり、亀頭包皮炎などの炎症を起こす危険性もあります」  一方、医者が性病対策として積極的に推奨する健康法もある。 「ぜひおすすめしたいのは、子宮頸がんワクチンです。性器にイボができる尖圭コンジローマは、事前にこのワクチンを打てば防ぐことができます。女性専用のワクチンと誤解されがちですが、子宮頸がんは男性との性行為を通じてヒトパピローマウイルスが女性にうつることで発症します。つまり、男性がワクチンを打っておけば、女性にうつすリスクを減らすことができます。下半身の不調については誰もが大ごとにしたがらないため、ネットに流れる根拠のない情報や聞きかじりの知識に頼りがちですが、専門家にきちんと相談することが何よりも大切です」  素人療法はかえってマイナスになるケースも珍しくないことを改めて肝に銘じたい。
医者がやらない健康法

Dr.TARO氏

【性感染症内科医・Dr.TARO氏】 夜間休日専門の性感染症内科・東京プレイヤーズクリニック院長。院内処方にてED薬やアフターピルの処方なども行っている <取材・文/週刊SPA!編集部>
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