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G1阪神ジュベナイルフィリーズはダーレージャパンファームの“隙間戦略”が妙味

 現在の日本競馬を席巻する生産者・ノーザンファームの勢いが止まらない。特に今年の秋G1での“独占”ぶりは凄まじいものがある。以下をご覧いただきたい。 ●2019年・秋G1勝ち馬(カッコ内は生産者) スプリンターズS タワーオブロンドン(ダーレージャパンファーム) 秋華賞 クロノジェネシス(ノーザンファーム) 菊花賞 ワールドプレミア(ノーザンファーム) 天皇賞・秋 アーモンドアイ(ノーザンファーム) エリザベス女王杯 ラッキーライラック(ノーザンファーム) マイルCS インディチャンプ(ノーザンファーム) ジャパンカップ スワーヴリチャード(ノーザンファーム) チャンピオンズカップ クリソベリル(ノーザンファーム)  秋華賞から先週のチャンピオンSまで、G1・7連勝中。まさに向かうところ敵なしである。  G1ではよく「外国人騎手を買え」と言われるが、それ以上に「ノーザンファームの馬を買えばよい」という状況になっている。これほどまでの圧倒ぶりを見せつけられると、それも納得といったところだろう。

“隙間戦略”で奮闘中のダーレージャパンファーム

 そんなノーザンファーム1強状態が続く秋G1だが、だからこそひときわ目立つのがスプリンターズSを制したタワーオブロンドンを生産したダーレージャパンファームの名前だろう。ダーレー・ジャパンはアラブ首長国連邦のダーレーグループに端を発する、いわば”外資系”だ。  外資系といえばなんとなく日本を圧倒するブランド力を発揮してそうだが、競走馬の生産においては前述通りノーザンファームが圧倒的で、ダーレーはあくまで第2・第3勢力を争う一角の位置づけに過ぎない。だが、そんなグループの日本競馬における成績を見ていくと、面白い傾向が見えて来る。それは、 「ノーザンファームの隙間戦略」  である。

短距離やダートが稼ぎ場

 ノーザンファームといえばクラシックレースをメインとする、芝の中距離での圧倒的な強さを誇るのが特徴だ。一方、ダーレージャパンファームの活躍の場はダートや短距離戦。今年に限ってみてもダーレージャパンファームの生産馬はタワーオブロンドンの3勝を含めて重賞5勝を挙げているが、5勝のうち3勝が芝1200m、残り2勝が芝1400mと1600mと、すべて短距離戦である。  また、近年の活躍馬を見ても昨年の春秋スプリントG1を制したファインニードル、ダート路線で活躍する牝馬ファッショニスタなど、やはり非芝中距離戦での奮闘ぶりが目立っている。これが意図したものかどうかは一旦置いておくとして、結果的には、ノーザンファームが席巻する芝中距離路線での活躍は厳しいだけにそれ以外のところでキッチリ稼ごうという戦略なのである。

雨が降ったらダーレー

 そして、今から2週間前のジャパンカップの週末には面白いことが起こった。この週末は東西ともに秋の連続開催の最終週ということもあり、非常に荒れた馬場の中で開催された。さらに土曜の東京競馬は雨に見舞われ、終日不良馬場。通常のスピードや切れ味を問われる状況とは、異なる条件下での競馬となった。  すると何が起こったか? ダーレージャパンファームの馬が次々と馬券に絡む走りを見せたのである。この週末、東西で同ファームの馬は合計11頭が出走し、G3の京阪杯を含む4勝、3着2回の固め打ちを決めた。馬券に絡んだ6頭のうち1番人気馬は2頭だけで、土曜のメイン・キャピタルSは7番人気のドーヴァーが制するなど、穴馬での活躍も目立った。  ノーザンファーム生産馬が芝の中距離路線での切れ味勝負わ得意とするならば、ダーレージャパンファームは短距離やダート、そして荒れ馬場と、いわば通常とは異なる条件でこそ力を発揮する。このことを覚えておくだけでも、今後の馬券検討の際には大いに役に立つはずだ。

阪神JFの展望&イチオシ馬と穴馬

ウーマンズハート

藤岡康太騎手の鞍上で第39回新潟2歳ステークスを勝ったウーマンズハート。阪神JFでも活躍するか…… 写真/産経新聞社

 さて、今週末の阪神ジュベナイルフィリーズはノーザンファーム生産馬の8枠15番リアアメリアが断然の人気を集めそうだ。例年評判馬が揃う6月の開幕週にデビューしたディープインパクト産駒のリアアメリアは、デビュー戦を圧勝。続く2戦目となった前走のアルテミスSも順当に制し、寸分の狂いもなく2歳G1へと駒を進めてきた。  そんな中でただ一頭、今回はリアアメリアと互角以上に戦えそうなライバルが出走する。その馬こそ、ダーレージャパンファーム生産の2枠3番・ウーマンズハートである。ウーマンズハートはリアアメリアと同じくデビューから2戦2勝。デビュー戦は圧勝、2戦目の重賞でも圧倒的な決め手を披露し勝ち上がってきたところも共通している。  恐らく人気はリアアメリアの方が上だろうが、馬券的にはウーマンズハートの方に期待してみたい。というのも、2戦の内容がとにかく圧巻。デビュー戦も2戦目もいずれも追われて抜群の伸びを見せており、リアアメリアとは異なり多頭数の競馬を経験してきたのも強み。引き続きマイル戦となる今回は、リアアメリアを逆転することも可能とみる。  それでは最後に注目の穴馬を挙げたい。  穴で期待したいのは4枠7番のロータスランド。デビュー戦では今回と同じ阪神芝1600mを完勝、2戦目の前走は2着に敗れたが、荒れた馬場と1400mの距離を考えれば悲観する内容ではなかった。スンナリ好位で折り合って抜け出す器用さもあるので、有力各馬が溜めている間に上手く先行できれば、ジャイアント・キリングの可能性もありそうだ。基本的に波乱度は低めのレースなので軸とは言わないが、一角崩しを期待する一頭としてヒモには加えておきたい。競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。最新の著書に『万馬券の教科書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。
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