中央競馬の総決算「ホープフルステークス」。カギを握るのは「ディープインパクト産駒」か
28日に中央競馬のラスト開催とともに2歳中距離チャンピオンが決まるホープフルSが行われる。有馬記念に引き続き、勝SPA!競馬連載陣の競馬予想家TARO氏、気鋭の予想家・安井涼太氏、元競馬雑誌編集長・松縄氏の超豪華3名による狙い馬を一挙まとめて教えちゃいます! 果たして3人は経験が浅い2歳戦をどう攻略するのか!?
まずは馬券攻略誌『競馬王』の元編集長・松縄隆史氏から。2歳戦といえば成長度を見ることがとても大事。現時点での完成度をどう見るかで予想も変わるところだが、松縄氏はこの完成度に関わる馬体重論争を左右していた存在に目をつけた。
ディープインパクト自身は、引退レースの有馬記念が438kgで、大型化が進む近代競馬においてはかなり軽量に分類される馬でした。空飛ぶ走りとも形容された究極の瞬発力は、その軽さとしなやかさから生み出されていたと考えられます。
競馬は階級別で行われる競技ではないので、軽量馬は道中での競り合いやパワーの面で相対的に不利なもの。ディープインパクト産駒の牡馬は、芝のG1を33勝していますが、500kg以上だったのは7勝のみ。520kgを超えていたのは19年大阪杯のアルアインと17年安田記念のサトノアラジンしかいません。
一方、20年の無敗の三冠馬コントレイルは、先日のジャパンC時の馬体重が456kg。21年のダービーを制したシャフリヤールのダービーでの馬体重は444kg。軽量馬の方がディープインパクトの切れ味を引き継いでいる傾向が見受けられました。
ですが、ディープインパクトは2019年7月に急死したため、現2歳世代がディープ産駒の実質ラスト世代なのです。
コマンドラインは、実質ラスト世代に現れた大型ディープ希望の星。1歳のクラブ募集時から人気を集め、デビュー前からその動きが牧場で評判になっていた大物です。しかし、1歳の段階で馬体重が530kgを超えており、「見栄えはいいけど、レースでギアが変わらないのでは?」と不安視する声もありました。
同馬は6月の新馬戦を単勝1.1倍の支持に応えて完勝すると、続くサウジアラビアロイヤルCで重賞初制覇。この時の馬体重は522kgでした。まさに切れ味とパワーを兼備したレース内容で、遂に「いいとこ取り」の産駒が登場した印象です。スタート直後とゴール前、2度の急坂を登る中山芝2000mは2歳馬にとってパワーを求められる舞台。雄大な馬体から繰り出されるパワーを生かして、無傷の3連勝濃厚とみました。
対抗評価のジャスティンパレスも2戦2勝。こちらは、コマンドラインとは対照的に450kgのコンパクトなディープインパクト産駒で、いかにも切れ味がありそうなタイプです。
◎コマンドライン
○ジャスティンパレス
ディープ産駒という「例外」最後の年
大型ディープの星・コマンドライン
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
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