更新日:2023年03月28日 09:38
スポーツ

有馬記念のオグリ、ディープ三冠じゃない!競馬予想の達人が選んだ平成の名勝負

<平成ギャンブル名勝負第4回・競馬編>  令和になって2か月ほどが過ぎたところで、ありがたいことに、勝SPA! より原稿の依頼を頂いた。いわく「平成の名勝負シリーズ・競馬編」である。  この手のテーマはとても悩ましい。平成の名勝負でベタなところに行くならば、オグリキャップがラストランを制した有馬記念や、平成17年(’05年)のディープインパクトの三冠、あるいはウオッカvsダイワスカーレットのハナ差の激戦となった平成20年(’08年)の天皇賞(秋)あたりが思い浮かぶ。  しかし、これらのレースはやや語り尽くされてしまっている感もある。一方で、やたらとマニアックなレースを提示しても自己満足に陥ってしまいかねない。そこで今回は、平成の名勝負の中でも、 『令和の時代になっても何度でも見返したくなるビッグレース』  という括りの中で、独断と偏見でレースを選んでみた。不思議なもので本当に素晴らしい勝負は、馬券の当たりハズレを抜きに、ふとした時に見返したくなるものだ。もはや振り返ったところで1円にもならないのだが、いつ見てもゾクゾクと背筋に緊張が走り、当時の熱い思い出が鮮やかに蘇る。それは学生時代に繰り返し聴いた音楽をたまに聴きたくなるような、そんな気持ちなのだ。  さて、前置きもそこそこに、早速行ってみよう。私、TAROが選ぶ、平成の名勝負ベスト3! まずは第3位は……

当時も凄いが振り返るともっとすごい

第3位 平成13年(’01年) エリザベス女王杯 勝ち馬:トゥザヴィクトリー  忘れもしない、筆者が高校3年の秋である。個人的なゾクゾク来るポイントはいくつかあるのだが、まずシンプルに直線の大接戦の叩き合いが凄い。  本来は逃げ先行が得意ながら、この日は外から伸びて来た武豊騎乗のトゥザヴィクトリー、そして内からじわじわ伸びて来る武幸四郎騎乗のティコティコタック、ほぼ最後方から矢のように伸びて来る横山典弘騎乗のローズバド、さらにはオークス馬・レディパステルに、2冠馬テイエムオーシャンも加わる。結果、上位5頭の着差は、ハナ・ハナ・クビ・クビ…。内外広がっての叩き合い、ゴール前の大接戦は今思い出しても胸が熱くなる。  しかし、このレースの凄さはその叩き合いだけに留まらない。出走馬の“母としてのその後”が凄いのだ。勝ったトゥザヴィクトリーも重賞ウィナーを多数輩出する名牝だが、それが霞むほど、敗れた馬たちがもっと凄い。2着ローズバドは、今や種牡馬にもなったローズキングダムの母。さらに下の着順を見ると、なんとポイントフラッグの名前が! ご存じの通りポイントフラッグは、あのゴールドシップの母である。  他にも菊花賞馬・スリーロールスの母であるスリーローマン、名スプリンター・カレンチャンの母であるスプリングチケット、地味なところではダートで活躍したカゼノコの母として知られるタフネススターの名前もある。  21世紀最初の牝馬限定G1は、のちの名繁殖の競演でもあったのだ。ちなみに当レースは関西テレビの馬場アナウンサーの実況が素晴らしい。それも含めて、是非ご覧いただきたい。
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やっぱり競馬はただのギャンブルじゃない
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