新井浩文に懲役5年の判決…刑務所の暮らしとは?
12月2日、強制性交罪に問われていた俳優・新井浩文に懲役5年の実刑判決が下された。世間では、再び表舞台に立てるのか、俳優復帰がどうなるのか注目が集まった。今後、彼は刑務所で5年間を過ごすことになる。果たして、そこではどんな暮らしが待っているのか。
もしも刑務所に入ったら「日本一刑務所に入った男」による禁断解説』(ワニブックスPLUS新書)の著者で、全国各地の矯正施設(刑務所)を誰よりも訪れた経験をもつ河合幹雄氏に、受刑者がどんな1日を過ごし、何を楽しみに生きているのか。その疑問に答えてもらった。
受刑者の生活サイクルとは、いったいどのようなものか。
「標準的な受刑者の1日は、午前6時45分の起床から始まります。7時に点呼があり、朝食はおよそ7時10分頃から15分で済ませ、8時から刑務作業を行います。11時40分に昼食。午前と午後にそれぞれ15分の休憩があります。午後4時40分に作業を終えて、5時10分に夕食。そして、午後9時消灯。入浴は週2~3回、1回15分以内。浴槽には定員以上の人数がおしかけます」(河合氏、以下同)
飛び交う刑務官の号令。トイレにいくのも刑務官の許可を取ってから、急いで用を足すのだという。生活の1から10までキツい生活かと思われがちだが、河合氏曰く、“息抜き”が存在するそうだ。
「たとえば、午後は30分の運動時間が設けられていますが、自由に体を動かしたり、囲碁や将棋に興じたりすることができます。夕食後の午後7時から9時までテレビを観ることが許され、ノンフィクションや大相撲などが人気。また月に一度、有名な芸能人や歌手、地域の歌謡同好会のメンバーたちが訪れる慰問は、受刑者たちにとってビッグイベントの一つです」
とはいえ、刑務官は慰問中も、彼らが問題行動を起こさないよう目を光らせている。
「受刑者は演奏中に歌手と一緒に口ずさむことや手拍子を禁じられ、唯一許されている拍手のタイミングは細かく指示されています。それでも慰問は人気があり、俳優の杉良太郎氏や、刑務所アイドルと呼ばれる女性歌手ユニット『Paix2(ぺぺ)』は400回以上の“プリズンコンサート”を行い、法務省に表彰されています」
刑務所内での息抜きについては、一部から否定的な声も上がっているが「早く更生すれば早く釈放され、このツラい生活から逃れることができる」と受刑者が気づく一因となり、早期更生に繋がっている一面もあるそうだ。
長い刑務所生活。息抜きと言えば、日々“悶々”としてしまうのは受刑者も一般男性も同じ。塀の中で見かける異性は慰問で訪れる芸能人や見学者ぐらいで、もちろん指一本触れることはできない世界である。素朴な疑問として、受刑者たちはどうしているのだろうか。
河合氏によれば、「コンビニに売っているようなエロ本は検閲に引っかからず、閲覧は禁止されてはいない」という。その本を読みながら、お一人様での性欲処理というのも「刑務官に事実上黙認されていると言っていい」らしい。
刑務官も人間。三大欲求の一つを禁じるほど、鬼ではないということなのかもしれない。
2017年に法務省が実施した「受刑生活でよかったこと」というアンケート。この結果によると1位は「面会、差し入れ、手紙」。ついで、2位「読書」がランクイン。これは「テレビ・ラジオ」の3位を上回っていた。
とはいえ、一般人にとって縁遠い世界である刑務所。今回は、『「飴と鞭」の生活…受刑者の楽しみは“慰問”
事実上、黙認されている“息抜き”も…
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5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。
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『もしも刑務所に入ったら「日本一刑務所に入った男」による禁断解説』 作業・娯楽・食事・イベントetc.驚きにあふれた受刑者/刑務官のリアルな生活とは? 全国にある矯正施設を知る著者だからわかった「塀の中の真実」。 |
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