新井浩文被告の「強制性交等罪」は風俗店でも成立する 本番強要をする“クソ客”の心理とは?
自宅で派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、強制性交等罪(旧罪名:強姦罪)で東京地検に起訴された俳優の新井浩文被告。今回は非風俗店で働く女性に対しての行為が罪に問われたわけであるが、本罪は、風俗店で働く女性に対しても成立する。風俗店で女性に対して本番強要をしたり、自分よがりなプレイを押し付ける客を、業界の隠語で“クソ客”というが、精神科医の春日武彦氏はその心理をこのように断言する。
「いわゆるクソ客とは、自己肯定感を持てない人々なのです。自己肯定の方法の一つは、『結果』を出して『さすがは俺』と実感すること。他人からの喝采や賞賛があれば、なおよろしい。しかし、これはハードルが高い。そこでもう一つの方法が、他人を蔑んだり弱点を見つけ、相対的に自分を持ち上げる作戦。そこで、風俗従事者の女性をそれだけで価値が低いと考え、自分に従わせることで自信を回復しようとするのです」
“蔑むべき存在”にカネを払って欲求を解消しようとする自分を顧みることはできないのか。
「そこはクソ客も薄々自覚していて、それを打ち消すために無理難題を強要します。要求が通れば性的欲望も満たされるうえ『こいつらはやはり、カネのためなら何でもする低級市民なんだ』とさらに蔑むことができるのです」
また、彼らは商取引のバウンダリーを軽視する傾向がある。キャバクラ嬢に対し執拗にプライベートの要求をする客も典型的な例だ。
「相手を見下しているからに尽きます。『俺の恩情に甘えさせてやる』という考えなので、境界線を認識できないのです」
その言動が、時に社会的破滅に至りかねないレベルまでエスカレートしても、「途中でそれをやめたら自己肯定できなくなるという図式の中にいるため、意地でもクソ的振る舞いを押し通そうとする。それには昨今の『お客様は神様』といった傲慢さも関係しているでしょう。風俗に限った話ではありませんが」という。
また、社会的地位に限らず誰しもがクソ客になる可能性がある。
「客観的な境遇と本人の内面世界は必ずしも一致しません。有名俳優、大学教授、弁護士、一流企業の幹部など、世間的には成功者でも自己肯定感を持てない人はいくらでもいるし、その逆に貧しくても心豊かな人もいます。クソ客の言動は決して許されるものではありませんが、哀れな人間であるのは紛れもない事実ですね」
新井被告の轍を踏まぬよう、気をつけてほしい……。〈取材・文/週刊SPA!取材班〉
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