更新日:2023年05月18日 15:47
デジタル

「PayPay」が使えない…キャッシュレス決済のプロが行うトラブル対策

掛け持ちのススメ

 突然のシステム障害を乗り切るもうひとつの手段が、「銘柄の掛け持ち」である。QRコード決済サービスであれば、最低でもふたつの銘柄にアカウントを作っておきたい。これもいざという時のシフトの意味合いで、もしも楽天ペイが再び大規模障害を起こしてもPayPayにアカウントがあれば、そちらを利用すればいい。筆者のお勧めは、自分が契約する通信キャリアの決済銘柄を「緊急時の手段」にすることだ。  筆者は長年のauユーザーだから、当然au Payとの相性がいい。月々の携帯電話料金の支払いでポイントも発生する。だから普段はPayPayを使いつつ、その控え選手としてau Payをスマホ画面の片隅に待機させておく。財産運用をする上で、「分散」は欠かせない基礎知識だ。キャッシュレス決済にも、まったく同じことが言える。

基本は「分散運用」

 そういうことがあるから、筆者はキャッシュレス初心者に対して「今日から現金決済をやめましょう」とは絶対に言わない。それどころか、今後どんなにキャッシュレス決済サービスが進歩しようとも「100%キャッシュレス生活」は非現実的ではないかと筆者は考える。最先端テクノロジーが我々現代人に求めているのは「分散運用」であり、たったひとつのセクターに全財産を放り込む行為ではない。  いずれにせよ、キャッシュレス決済サービスのシステム障害は今後もあり得ることだ。この記事を執筆している最中にも、主要銘柄のサーバーが停止してしまうかもしれない。それを念頭に置きつつ、キャッシュレス決済を賢く利用していこう。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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