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月収12万円でも満足…27歳Uber Eats配達人のプア充生活

 2年前に仕事を辞め、現在はフリーターの橋本さん(仮名・27歳)。月収約12万円。ウーバーイーツの配達員と日雇いのアルバイトで糊口をしのぐ日々。とはいえ、本人はいたって楽しそうに過ごしているのだ。将来への不安はないのか。今回は、そんな彼の生活に迫ってみた。

家賃4万円、窓を開ければお墓が…

注意書き

いきなりこんな注意書きが目に留まる

 都内23区からは少し外れた某駅で橋本さんと待ち合わせをした。彼の住居は駅から徒歩25分はかかる立地で、正直言って不便だ。 「近隣住民からクレームがでています! 夜間の大声、騒音等はご遠慮下さい」  敷地内に一歩入ると、こんな注意書きが目に留まった。昭和のノスタルジーを感じさせるボロアパート。郵便受けは錆びついてボロボロだ。筆者が幼い頃はこのような建物が多かったので少し懐かしい。 「家賃は月4万円です。4年前に大家さんから『あと2年で取り壊す』と聞かされ、そのぶん格安で契約できたのですが、実際は2年伸びて、もう4年住んでいますね」  部屋に入ってみると、リフォームもされているようで汚くはない。思いのほか居心地は悪くないように思えた。1Kながら浴室とトイレは別。浴室には、かつて浴槽があったと思われる段差があり、洗い場が少し深くなっていた。しかし割安に思ったのも束の間、浴室とトイレの間にある洗面所から何気なく窓を開けてみると……そこはお墓だった。
卒塔婆

洗面所の窓を開けると……大量の卒塔婆が!

「たまに夜、怖くなることがありますよ。ただ、家賃が安い場所なんて大体こんな感じですよ。窓を開けると、たまにお墓参りで来た人と目が合ったりして、なんか思わず会釈しちゃいますね(笑)」  居間から窓を開ければ、さらにお墓がよく見える。隣にこんなのがあったら筆者だったら絶対に契約はしないだろう。居間にはスキマ風が入り、畳の下から冷気を感じる。エアコンをつけてもパワーがなく、なかなか部屋が暖かくならない。  ともあれ、こんなアパートに住む隣人などはどのような人たちなのだろうか。橋本さんが筆者の耳元で囁くように言う。 「隣の住民は謎の人で、住み始めてから一度も見たことがない。たまに、咳をする音や窓を開け締めする音が聞こえるのですが、仕事はしているとも思えず、不気味で仕方ないです」

月収12万円が目標、生き甲斐はFC東京の応援

FC東京のユニフォーム

FC東京のユニフォームがずらりと並ぶ

 ベッドの横には何枚ものFC東京のユニフォームが飾ってある。橋本さんは同チームの熱烈なサポーター。生活がギリギリなのに、ユニフォームやグッズを買いまくる。趣味にはお金を使いたいようなのだ。 「ファンクラブの会費は年間3万円で、ホームのチケットは手に入るのですが、アウェーの試合はチケットが2500円ぐらいかかるし、交通費やら食事で5000円は飛んでしまいます。近々、釜山と上海で国際試合があるので、その遠征には行きたいです」  台所をみれば、野菜ジュースのパックが大量に置かれている。「基本的に野菜は食べない」というので健康面への配慮なのだろう。冷蔵庫はガラガラで、冷凍室にはタッパーに詰められた米がたくさんある。冷凍ギョーザもあったが「フライパンを焦がして使えなくなり、作れなくなりました」とのこと。
ご飯

冷凍室に入れられたご飯。一度に大量に炊いて保存しておく

 壁には英語で1日4000円、週2万8000円。月12万円と書かれている。 「あ、これ、僕の目標です。あまり働く気が起きないし、生活費やFC東京の応援でこれだけあればとりあえず十分なので」
収入の目標

本人の収入の目標が書かれた紙

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現在の収入源は…
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