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奨学金、毎月11万円の返済。コロナで残業もボーナスもない31歳の苦悩

 コロナ失業や収入減により、ローンの支払いに困窮する人がかつてないほど増えている。今回は奨学金。コロナ禍で返済に追われる人の姿を追った。
[ローン破綻]の現実

佐伯俊徳さん(仮名・31歳)

約50%が受給する奨学金。就職後も続く地獄の借金

▼佐伯俊徳さん(仮名・31歳 鉄鋼メーカー 未婚) 年収600万円⇒450万円/ローン残債700万円/月の返済11万円 =====  利用割合は48.9%と、約半数もの学生が受給する奨学金(’16年、日本学生支援機構「学生生活調査」より)。返済が滞れば、ほかのローンと同様に延滞金が発生するほか、一括返還の請求や財産の差し押さえに発展することもある。  鉄鋼メーカーに勤める佐伯俊徳さん(仮名・31歳)の奨学金残債は計700万円。大学院卒業以来、毎月11万円の返済に追われてきた。 「女手ひとつで育てられてきましたが、経済状況は良くなく学費と生活費を出せる余裕は皆無。しかも進学直前に母親が体を壊し、母の生活費の足しにもなればと無利子の1種・有利子の2種どちらも申請。  そうやって大学院卒業までの6年間で借りた額に利息を加えると、返済総額は1300万円に膨らんでいました。今思えば24歳でこれだけの残債を背負うことは恐怖でしかない。でも、当時は『勉強させてもらった分これから必死に働こう』と前向きでした」

残業もボーナスもなく、年収150万円減

 そんな決意を胸に年収600万円の会社で必死に働き続け、現在までに600万円を返済。「同僚らが旅行やゴルフを楽しむのを尻目に、ひたすら節約してきた」と言うが、コロナの影響には個人の努力で抗いようもなかった。 「残業ができなくなり手取りは5万円減。業績の悪化を受けてボーナスも出ない見込みで、150万円近く年収が減る計算です。家賃や生活費を考えると返済はもうできない。連帯保証人の母に知られて心労をかけるのが怖くて、先月はカードローンで借金をして返済しました……」 [ローン破綻]の現実 地道に返済してきたが、それでも完済は12年後。 「でもここで延滞し一括返済を求められると、すべてがパーですよね……」
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奨学金の構造に問題あり
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年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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