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近所にエロい店ができるのは良いが、難易度を示してほしい――patoの「おっさんは二度死ぬ」<第79話>

ギリギリなのか、そうでないのか判別できるようにしてほしい

 注意しなくてはならないのが、基本的にそれらは風俗営業を取得していない店であることが多い。つまり、風俗店ではないので全てがエロのない店であるはずなのだが、中には、まあ、そのね、エロいこともなきにしもあらず、って実情があるわけだ。  問題はそのエロさが全く分からないシステムにあるわけだ。完全に出たとこ勝負。  例えば、本当は全部が健全な店であるはずなのだけど、エロいことを期待していって健全だと困るわけだし、その逆で体の疲れを癒そうと店に行ったら唐突にエロいことが始まって逆に疲れた、なんてことも困るわけだ。清い体のままでいたいのに唐突に性サービスされても困るわけだ。  「だからよ、ああいう店は看板に店のエロ度を表示しておいてほしいよな」  高橋さん曰く、そういった店は値段や看板に書かれている単語である程度は判別可能らしい。それでも分からないから看板に書いとけと言うことだ。そうなると、それを参考にガンガンと摘発されそうな気がするが、まあ言わないでおいた。  「モンハンの討伐難易度みたいにエロ度★★★とか表示するんですかね。それを各店舗が表示すればいいわけですね。★★★★★★だ、クシャルダオラ級のエロさの店とか。でも、そういった店ってどれだけエロいか分からないからこそ魅力があるって側面もあるんじゃないですか?」  僕がそう言うと、高橋さんは分かってるじゃねえか、と言いたげな笑顔を見せた。  ただまあ、メンズエステの経験はないので高橋さんが言ってることが正確なのかも分からないし、メガネ屋は絶対にエロくないのだけど、その店がエロい店なのかどうか、で真剣に悩んだ経験を思い出した。  あれは僕が大学生だった頃なのだけど、当時の僕は本当にダメで、大学にもいかず、毎日パチンコ屋の行列に並んでサンダーVを打つ日々を過ごしていた。  ある日、その行列の中で常連のじいさんたちが「あの国道沿いにできた店はなんだ」「エロい店なのか」みたいに騒然となっていた。  話を聞いてみると、やや郊外の国道沿いにメガネ屋があったのだけど、そこが潰れて、しばらくは空き家だったが、突如として「カサブランカ」という謎の店が営業開始していたらしい。  不気味なのは、そのカサブランカがどういった形態の店なのか一切説明がなく、ただド派手な花輪が何個も飾られていたらしい。飲食店なのか、それとも何かを売る店なのか、はたまた何かのサービスを提供する店なのか、その実態が全く掴めないらしいのだ。
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爺さん達の代わりに、僕が偵察に行くことに……
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