コンビニのトンデモ客、商品を壊しても「これ弁償しないとダメ?」
慢性的な人手不足のコンビニ業界。筆者は過去、コンビニに長く勤務してきた。実体験はもちろん、以前働いていた店の店長や仲間を取材し、これまで記事を書いてきたのだが、店長がこんなことを言ってきた。
「浜さん、時間が空いている時でいいけど、週1回ぐらいバイトしてくれない? 人が確保出来ないのでこっちも助かるし、そっちも取材になるでしょ?」
こうして筆者は、再びコンビニでたまにアルバイトをすることになったのだ。さて、今回はそんななかで遭遇した“トンデモ客”を紹介しよう。
もしも自分や子どもが店の商品を壊してしまった場合、店員に報告して詫びるのが当然だろう。そして、弁償するのが常識である。だが、いつも店を利用してくれている常連客がやった場合、店長の裁量でその必要がないこともある。とはいえ、意外と弁償する気がない客が少なくない。
子どもがゼリーにいたずらし、もう売り物にならなくなってしまったことがある。そこで母親が商品を持ってきてひと言。
「これ、弁償しないとダメですよね?」
当たり前だろ! また、サラリーマンの男性が栄養ドリンクを棚から落として割ってしまった時だ。
「これ、弁償しないとダメですかね?」
いい大人が何を言っているのか。正直、社会人として呆れてしまう。ただ、9割の人は弁償してほしい旨を伝えると普通に払ってくれる。自ら「弁償します。すいません」と謝ってくる人も当然いる。
最悪なのは、客が商品を壊したにも関わらず、黙って帰るパターンだ。スタッフが気が付いて声をかけられなければ、そのまま店の損失になってしまう。
ある週末の夕方、客が引いて暇になった。筆者は若い男性アルバイトとレジに入っていた。すると、どこにでもいるような50歳ぐらいの男性がコーヒーを注文した。筆者はコップを渡す。通常はそこで終わりである。
時おり、コーヒーマシンの場所がわからないという客もいる。聞かれれば、それを教えるのは苦ではない。
しかし、その男性は何も言わずにレジから離れようとしない。怪訝に思っていると、しばらくの間が空いた後、「コーヒーの機械はどこ?」とたずねてきた。そこで筆者は教えてあげたのだが、その対応が不満だったようだ。
「あらかじめ場所を言ってくれないと困るじゃない。他の店では言ってくれるよ」
少し探せばわかるだろうし、それでもわからなければ聞けばいいことだと思うが……。男性は、コーヒーを入れてからも文句を言い続けていた。面倒なので頭を下げて謝ったが、納得していない様子。
いてもたってもいられず、店長の奥さんに事情を説明し、筆者はバックルームに戻った。しばらくそこで待機していたが、男性はまだ店内に居続けていた。
何度も謝ったので、これ以上何か言われる筋合いはない。その後は目も合わせずに作業に戻った。すると、いつのまにか姿を消していたが、たった100円で、なぜそこまで怒られなければならないのか。腑に落ちなかった。
商品を壊しても「これ弁償しないとダメ?」
コーヒーマシンの場所がわからない客がブチギレ


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