ライフ

関東連合元リーダー・石元太一が獄中から出版。「塀の中」の実態とは?

■石元氏が語る更生の現場の物語とは?

 本書にも詳しいトーヨーボウル殺人事件は著者がその首謀者として特別少年院に入る原因となった事件であり、一人の少年の命が奪われている。そして、著者はいま、2012年9月、六本木のクラブ「フラワー」で飲食店経営者が複数の男達に撲殺された六本木クラブ襲撃事件に深く関与したと懲役15年の刑を受け服役している最中でもある。その口から語られる更生の現場の物語から何を感じるか。それは読者によって様々だろうが、いわく言い難い感覚を読者に与えもするだろう。  それがいかなるものであるにせよ、著者は、ここ10年の裏社会を象徴する事件に関わりながらも、個人としても集団としても、その存在を見て見ぬ振りをできるような位置に追いやられていった存在だ。いまも獄中からBlogを通じて日々の心境や読書体験を発信する著者だが、本書を通じて、その経験・記憶の一端を知ることは多くの人に普段は出会えぬ世界との接触を体感する機会を与えるだろう。 【石元太一(いしもと・たいち)】 1981年、東京浅草生まれ、世田谷育ち。関東連合「千歳 台ブラックエンペラー」16代目総長。俳優としてデビュ ーを発表した直後の2012年9月に詐欺事件で逮捕。その後、 六本木クラブ襲撃事件に関与したとして傷害致死の容疑で 再逮捕された。2016年6月に懲役15年の実刑が確定。獄中 から『反証 六本木クラブ襲撃事件 逮捕からの700日』(双葉社)を発表。現在も自らの無罪を訴え続けている。3月には、『「特別少年院物語」(大洋図書)を上梓』 文=開沼博(社会学者)
1
2
特別少年院物語 (日本語)

「まともに学校に通わなかった俺にとって、少年院はすべてを教えてくれた場所だった」

おすすめ記事