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関東連合撲殺事件に“もう1人のキーマン”が緊急浮上

 六本木のクラブで起きた関東連合による人違い撲殺事件の裁判が目下、進んでいる。 「実行犯の中心的な役割を果たしたとされる百井茂被告に懲役15年の判決が出ており、12月9日からは石元太一被告の公判が始まる予定です。驚いたのは、他のメンバーよりも一足早く出所した2人の公判。この2人は証言を巡って犯行グループと内輪もめ状態になっているため、傍聴席に座る関係者と思しき男たちから被告に向けてヤジや暴言が飛び交う一幕もあった」(警視庁担当記者)
関東連合

写真は六本木襲撃直前時の関東連合メンバー。バットによる報復は西新宿の事件の意趣返しだったのかもしれない

 この事件の主犯と目され、海外逃亡中の見立真一容疑者の行方はいまだ判明していない。  キーマン不在で進行する裁判に捜査当局は、相当苛立ちを見せているようなのだが、ここへきて別のキーマンが浮上した。きっかけは、振り込め詐欺に端を発する殺人、及び死体遺棄事件だ。  捜査関係者が語る。 「2010年に振り込め詐欺グループで仲間割れが発生し、殺害された男性の遺体が埼玉県の霊園から見つかった事案があった。警視庁はこれまでに6人を逮捕、1人を指名手配しているのだが、犯行グループは八王子にある暴走族“打越スペクター”の元メンバーが中心。  この打越スペクターのメンバーは過去に関東連合とトラブルを起こしており、それが六本木の事件へとつながったと見られているのです」  関東連合が起こした六本木での撲殺事件は人違いだったが、元をただせば、先輩を殺されたことへの報復だった。08年3月に西新宿で起きた金村剛弘さん殺害事件である。  この事件はいまだ解決していないが、被疑者として浮かんできたのが打越スペクターのメンバーなのだと捜査関係者は語る。 「巷では金村さんを殺害したのはKという元暴力団員の仕業、と言われているが、事件当初に容疑者として挙がっていたのは打越スペクターのメンバーだった。というのも、金村さんは殺される直前に広尾のちゃんこ店でいざこざを起こしており、Nという男を殴打している。金村さんがNを歩道で殴ると、道路の中央分離帯まで身体が吹き飛んだそうだ。  Nは暴力団員なのだが、この一件を腹に据えかねて他の反・関東連合グループと共謀し、金村さんを殺したのではないかというのが大筋の見立てだ」  捜査の最中、Nは殺人とは別の容疑で逮捕された。当然、警視庁は金村さん殺害についても追求したが、知らぬ存ぜぬを通した。そればかりか、 「取り調べを担当した刑事に向かって『仲間が外にいる。お前の子供、大丈夫か?』などと挑発する始末。結局、決定的な証拠が見つからず、Nは別件で刑務所行きとなった」(捜査関係者)  というから、驚くほどの悪党ぶりだ。そして、先に触れた埼玉での死体遺棄事件で指名手配されている男もまた、金村さん殺害の関与が取り沙汰されているようなのだ。 「指名手配されている男はNと同年代で、同じ暴走族仲間。成人してからも非常に親しい関係にあり、関わっていてもおかしくない。  埼玉の死体遺棄事件で逮捕されたメンバーのうち、何人かはすでに供述を始めており、金村さんの事件についてもNや手配中の男の関与があったか否か、証言を得られる可能性はある」  関東連合による六本木撲殺事件の元凶となった、もうひとつの撲殺事件の全容が解明される日は来るのか。捜査の進展が待たれる。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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