都知事選は「大喜利」感覚で見るとおもしろい。お題は「ポピュリズム」!?
「ポピュリズムイシュー大喜利」を制するものが都知事選を制す!?
オリンピック中止で一定数の票は取れるのと目立てるだろうな
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) June 15, 2020
れいわ山本氏、都知事選出馬表明 公約に五輪中止、野党票分裂も (共同通信) – https://t.co/4FOYSRVyRj
ひねくれ者の私は、東京オリンピックに違和感を持つ者の1人だ。招致決定の瞬間、後に政界のプリンスの嫁になる美人女子アナや、高級腕時計をしたオリンピックメダリストたちが雄叫びをあげて喜ぶ姿を、なんとも冷ややかな気持ちで眺めたものだ。「サッカーワールドカップだったら超嬉しかったのに、オリンピックってなんかダセーじゃん」なんて思った。 しかし、もし東京オリンピックの「陸上競技4×100mリレー」の決勝のチケットが手に入り、日本のメダル獲得の瞬間を目撃したりしたら「人生最高の思い出だ」と思うに違いない(笑)。東京オリンピックが開催されたらされたできっと興奮するだろう(もう招致はしてくれなくていいけど)。 そんなことより何よりオリンピックが開催されないことによる経済の停滞が恐ろしい。東京オリンピックは絶対やってもらわなきゃ困ると、私は思っている。そう思ってる人がほとんどのような気がする。 N国の立花孝志も都知事選に出馬を表明した。先の参議院選で掲げた「NHKのスクランブル放送化」ほど、鮮やかに世間から「一本」取ったポピュリズムイシューもないだろう。今回の都知事選でもNHK問題を公約に掲げるようであるが、どうせなら「なるほど~」と唸りつつ、苦笑いしてしまうような、新たな公約もぶち上げてくれることを期待したい。 巨大な、しかも無党派層の有権者が1人の人物を選ぶ東京都知事選は、ポピュリズムの手法がもっとも有効に発揮される選挙だろう。今回の都知事選は女帝・小池百合子の1人勝ちが予想されているので、他の立候補者から思い切った二者択一の公約が飛び交う可能性が大いにある。 また候補者を立てられない自民党は、ポピュリズム選挙に対して打つ手がないことを露呈しているようにも見える。安倍内閣は、憲政史上最長の在任日数を誇り、史上最も強固な内閣と言えるだろう。しかし裏を返せば「強固」である事は、ポピュリズムの手法の餌食になりやすいということだ。既得権益の固定を意味するのだから。今回の都知事選は未来の国政選挙を映す鏡になるのかもしれない。 ポピュリズムと言う言葉が脚光を浴びるきっかけは、イギリスのEU離脱の原動力となったイギリス独立党を始めとするヨーロッパ各国のポピュリズム政党の躍進とトランプ政権の誕生である。そしてそのすべての政党が掲げたイシューは、結局は「反移民」「反イスラム」だった。 しかもヨーロッパのある政党は民族主義の立場から「反イスラム」を正当化し、また別の政党はリベラルの立場から、例えば「イスラム教の男女差別は人権侵害だ」と言うような理由で「反イスラム」を正当化した。なんじゃそりゃ。もうただのロジックのゲームじゃないか。ポピュリズムは人々を扇動する、単なる手段でしかない側面があり非常に恐ろしい。しかしだからこそ「ポピュリズムイシュー大喜利」がおもしろい。ヨーロッパやアメリカの「排他主義」は日本では有効なイシューにはなり得ない。果たしてどんな問題提起をこれから野党はしていくのだろうか? 「大阪都構想」ではわかりにくい。この大喜利はなかなか難しい。 「ポピュリズムイシュー大喜利」の解答は、社会への皮肉と同義だ。悪趣味だが私は好きだ。時々暇つぶしに考えてみることとしよう。大喜利だけやって、投票に行き忘れたりして。1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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