右翼主導のデモ「純粋に危機感を感じてるからやっている」

【右派を代表する論客3人が脱原発を語る】  「右から考える脱原発ネットワーク」によるデモ終了後、主催者である統一戦線義勇軍議長・針谷大輔氏、一水会最高顧問の鈴木邦男氏、右派の立場から脱原発を積極的にネット上で発信するnoiehoie(ツイッターネーム以下「no」)氏の3者が、今なぜ右からの脱原発運動が必要なのかを語り合った。 ◆「核兵器開発を担保」は非現実的な考え no ネット上の純粋な脱原発運動はどんどん大きくなっていますが、針谷さんの運動にすごく好意的なまなざしを向けています。 針谷 左翼だって、脱原発を訴える場で天皇陛下がどうこう言うのはやめようよと言える人たちなら一緒にやれるんです。このチラシだって左翼の人がデザインしてくれた。普通、左翼の人が日の丸をモチーフにして何か作ろうなんてあり得ないですよ。我々は純粋に原発に危機感を感じてるからやってるわけで、感じてない人間があーだこーだと言うんです。助けるべき人がいるんだから、そんな暇はない。 ――今後、中国などでも原発が造られる計画があります。日本が脱原発しても、そこで事故が起これば何も変わらないという声もあります。 針谷 正直、現時点で僕はそこまで考えは回らない。国際的なことを考えるほど、日本には余裕がない。 no 我々はまず本朝の上にある54基の原発を止めることが運動の直近の目標とすべきです。隣家の火事のもらい火を心配する前に、自分の心配をしなければ。 ――保守のなかには核兵器開発というオプションを担保するために維持すべきという声もありますが。 針谷 核兵器を持ちたいのなら、レンタルすればいい。 no 一部の保守派が言う安保のカードとして維持すべきというのは、理屈としてわからないこともないけど、それなら北朝鮮あるいはインドのように、どこかで核実験しなきゃならないはず。日本のどこで実験するんですか。 針谷 そもそも、僕らはもともと核武装は反対。核は一世代前の考え方で、使えない武器でしょ。 鈴木 ただ、まだそう言ってる人はいるよね。 針谷 それよりも核を無力化するためのコンピュータウイルスでも何でもいいから、そっちを開発したほうがよほどいいですよ。 no お二人の前で言うのもおこがましいですが、私が右翼を自任する人間として思うのは、この日本に天皇陛下が足を踏み入れることができない土地ができてしまったことがショックで仕方ないんです。おそらく避難勧告が解除されても、あと何十年間かは陛下の行幸を仰ぐことはできない。そのような場所ができてしまったことに、同時代人として何とお詫びしていいか。核武装云々の以前に、自分たちの世代が守るべき国土を守りきれなかったという反省に立たないと、保守・右翼がなに言ってもウソに聞こえちゃうと思うんです。 鈴木 国防というのは他国の脅威から国を守るのは当然だけれども、災害や事故から国土・国民を守るのも大事な国防なんですよ。 【noiehoie氏】 ツイッターやブログなどを中心に活発な言論活動を行う。「保守/右翼であるからこそ、排外主義と戦わなければいけない」が持論 【鈴木邦男氏】 一水会最高顧問。産経新聞社勤務などを経て、’72年に新右翼団体・一水会を結成。’99年に顧問就任。近著に『新・言論の覚悟』(創出版) 【針谷大輔氏】 統一戦線義勇軍議長。’87年に住友不動産会長宅襲撃事件に参画した。現在は新右翼を代表する人物として弁舌、活動を展開する 取材・文/青山由佳 杉山大樹 ― 右翼だって反原発その主張を聞いてみた【7】 ―
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