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「第四次 印パ戦争」の核リスク 空爆40人死亡の報復で戦闘機撃墜

米朝トップ会談の裏で「核保有国」同士の衝突激化

 まさに、血で血を洗う報復のループと言えよう――。  2月27日、パキスタン軍が、隣国インドと領有権を争うカシミール地方の停戦ライン(実効支配線)付近の上空でインド軍機2機を撃墜。インド軍もこれに反撃する形でパキスタン軍機1機を撃ち落とした。 「第四次印パ戦争」の核リスク この前日に、インド軍がパキスタン領内にあるイスラム過激派組織「ジェイシモハメド」の訓練基地を空爆したことへの報復とみられているが、そもそもの発端は、2月14日にインドの支配地域スリナガルでジェイシモハメドが引き起こした自爆テロで、このときはインド中央予備警察隊員ら40人以上が犠牲となっている。  パキスタンは、インド軍機撃墜後に拘束した操縦士を「解放」すると発表し、話し合いによる解決を訴えているが、これに対しインド側は態度を硬化。モディ首相が「すべての国民は我がインド軍の兵士を支持している。我々は国民一丸となって戦い、勝ち、働く。どんな代償を払っても、私たちを止めることはできない」と、強気の声明を出す事態となっているのだ。

過去3回も戦争しているインドとパキスタン

 インドとパキスタンは’47年に英国領から分離・独立して以降、過去3回にわたり戦火を交え、’01年にはインド国会議事堂襲撃事件が、’08年にはムンバイ同時多発テロが起きるなど、新たなフェーズに突入している。イスラム教徒が多く住むインド北部のカシミール地方の領有権問題が「火種」といわれているが、なぜ、これほどまで互いに憎しみをぶつけ合うのか? 公益財団法人日印協会 現代インド研究センター上席研究員で、岐阜女子大学客員教授の堀本武功氏が話す。 「印パ関係は、カシミール問題だけで語れるほど単純ではありません。そもそも、パキスタンはインドに比べて国力も軍事力も劣り、再びインドに併合されるかもしれない、という警戒心が根強く残っている。現在、『越境テロ』を繰り返しているイスラム原理主義勢力はパキスタンが後ろ盾となっており、今回、自爆テロを起こしたジェイシモハメドは越境テロの主力集団です。 加えて、インドはアフガンの非タリバン政権とは良好な関係だったが、トランプ政権がアフガンからの米軍撤退を決めたことで事態が変わるのは必至……。敵対するパキスタンや中国が、アフガンの現政権が代わることを望んでおり、インドは強く警戒しています。 インドは中国ともカシミールの領有権問題を抱えており、インドがジェイシモハメドの指導者を国連安保理で国際テロリストに指定しようと試みた際も、中国がすかさず拒否権を行使するなど反目している間柄。 一方、中国とパキスタンは一帯一路構想の一環で中国・パキスタン経済回廊を構築するなど強固な友好関係で結ばれており、これも印パ関係に大きく影響している」
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インドとパキスタンが共に「核保有国」
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