オーラルセックスの危険性 がんの発症を防ぐために
男性有名人が喉頭がんを公表すると、ネットでは「クンニのしすぎ」とコメントが寄せられる。セックス依存症で喉頭がんになったアメリカの俳優、マイケル・ダグラスは自らがんになったのは「クンニのせい」と話していた。
本当にオーラルセックスのしすぎは、がんの発症につながるのか。一般社団法人日本家族計画協会理事長で、性感染症に詳しい医師の北村邦夫氏に話をうかがった。
まずオーラルセックスとは、どのくらい性行為において行われているものなのだろうか。北村氏が2011年に行った「日本人の性意識・性行動に関する調査結果」によると、「この一年間で、口腔性交(=オーラルセックス)の経験があるか」という質問に対し、女性の42.7%、男性の54.4%が「毎回している」もしくは「時々している」と答えたという。つまり、オーラルセックスとは決して珍しいものではないことがわかる。
「男性、女性ともに、性器はあまり清潔なイメージのある場所ではないですよね。そこを普段はいかにも真面目そうな人が舐めてくれることに、ギャップというのでしょうか、快感を覚える人は多いと思います」
それでは本題に入るが、オーラルセックスは果たして、がんや感染症につながるのか。北村氏に尋ねたところ、「もちろんです」と即答だった。
「男性器もそうですが、女性器を舐めるほうが――つまり、フェラチオよりもクンニのほうがよりリスクが高いですね。女性器は粘膜の宝庫みたいなところ。そうした環境は子宮頸がんや咽頭がんの原因となる、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しやすい。病気になるリスクを負わないためには男性器を舐めるにはコンドームを、女性器にはダムハーと呼ばれるラテックスゴムの存在は必須です。いずれもフレーバー付きですが」
しかし、オーラルセックスの際にコンドームを装着するケースは決して多くはない。前述の「日本人の性意識・性行動調査」によれば、女性の87.9%、男性の79.4%がコンドームを「まったく使わない」と回答している。
「フェラチオの際にコンドームを使わないのは日本だけだ、と言われたこともあります。厚生労働省がオーラルセックスでも性感染症にはなると明言しているんですけど、それでもなかなか浸透しない」
オーラルセックスにもコンドームを!
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