日本一周中に余命宣告…“すい臓がん”公表で「詐病だろ」誹謗中傷を受けたYouTuberが今、伝えたいこと
旅を配信するYouTuber・こうへい氏とみずき氏のカップルによるチャンネル『サニージャーニー』はチャンネル登録者数20万人を超える。日本中をキャンピングカーで横断するなど、類まれな行動力と溌剌とした表現力によって、配信当初から根強い人気のあるクリエイターだ。
――このたびはご結婚式、書籍出版と誠におめでとうございます。このタイミングで結婚式に踏み切った経緯について伺えますでしょうか。
こうへい:ありがとうございます。もともと、治療が終わったら結婚式をやりたい気持ちはありました。私たちが旅の配信をしていた当初からの視聴者の方で、愛知県知多市新舞子にあるNEST BY THE SEAという結婚式場を経営されている方がいらっしゃいました。その方から、治療が一段落した段階で、結婚式を挙げてはどうかというありがたいお話がありました。病気になった当初に「仕事という形で支援したい、結婚式をうちの式場で行わないか?」とお声がけいただいていましたが、その当時は少し先も全く分からなかったのでお断りしました。治療がひと段落し、結婚式を挙げたいと話が出たときに、ぜひNEST BY THE SEAさんでと改めてご連絡しました。いわばPRの仕事半分、プライベート半分の結婚式ですが、とても楽しく行うことができました。そのときの動画も、すでにアップされています。
みずき:お心遣いありがとうございます。結婚式のお話をいただいたとき、本当にありがたいなと感じました。実際に結婚式をしてみると、たくさんの方にお祝いのお言葉を頂き、改めて支えてくださった方々に感謝の気持ちを伝える機会となりました。それと同時に、大きな幸せを感じた時間でもありました。このような機会を頂き本当に嬉しく感じています。
だがサニージャーニーの名が全国に広まったのは、「婚約中の彼女がすい臓がんになりました。【日本一周車中泊中断】」と題して2022年11月6日に配信された動画によるところが大きい。この動画の再生回数は460万回以上。内容は、みずき氏が腺房細胞癌という希少がんに冒されていることを知らせるものだった。
多くの視聴者が安否を心配し、見守るなかで、一方では「詐病ではないか」などの心無い誹謗中傷にも遭った。こうへい氏が支援を呼びかけたクラウドファンディングは、アンチコメントやそれに心を痛めるみずき氏の心情に配慮して、立ち上げ前に頓挫した。
現在、みずき氏は一通りの治療を経て、快方に向かいつつある。希少がんからの生還という希望に呼応するように、今年2月、2人は結婚式を挙げた。また、2人にとって初となる書籍『日本一周中に彼女が余命宣告されました。』(双葉社)を3月21日に上梓する。
さまざまな渦に巻き込まれ、それでも笑顔を絶やさなかった2人がこの局面において思うことを聞いた。
視聴者の厚意で結婚式を挙げることに
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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