更新日:2020年08月04日 07:25
スポーツ

大相撲・やらかし力士番付。阿炎の会食は序の口…過去には拳銃密輸の横綱も

ロシア力士の大麻事件

 阿炎の会食や朝青龍のサッカーは法に触れるものではないが、ここから先は違法行為のやらかしだ。2008年、当時前頭だったロシア出身力士の若ノ鵬が落とした財布から、大麻成分を含んだ植物片が見つかる。これを受けて警察が家宅捜査をしたところ、若ノ鵬が所属する間垣部屋や自宅から吸引具が発見され、結果的に若ノ鵬は現役力士で初めての解雇処分となった。  その後すぐさま、相撲協会が協会員に抜き打ちの尿検査を行なうと、同じくロシア出身の露鵬と白露山から陽性反応が検出。こちらも解雇となった。当時、世界的にも大麻合法化の流れがあり、世間からは大麻取締法の不当性を訴える声もあがったが、相撲ファンからすればその法律が不当か以上に、「法を犯す」ことで、彼らの相撲が見られなくなる残念さは大きなものだった。違法行為ということもあり「大関」としておく。

あの歴史的大横綱も…

第四十八代横綱 大鵬 オフィシャルサイト

画像:第四十八代横綱 大鵬 オフィシャルサイト

 昭和の時代「巨人・大鵬・たまご焼き」という言葉があったほど、相撲は国民的な人気スポーツだった。その頂点に君臨し、史上最強とまで謳われた昭和の大横綱である大鵬にもやらかしのキャリアがある。  1965年、そんな大横綱がやらかしたのは驚くべきことに「拳銃密輸」。すでに廃業していた元大関の若羽黒が拳銃の不法所持で逮捕されたことから調査がはじまり、大鵬とともに柏鵬時代と呼ばれる黄金期を築いたライバル横綱の柏戸、そして現在はNHK大相撲中継の解説でもお馴染みで、当時幕内だった北の富士(のちに横綱)も不法所持をしていたことがわかった。  前年に日本人の海外旅行が自由化されたことから、日本にないものを土産に海外から持ち帰ることがブームになっていた。大鵬と柏戸は海外巡業で手に入れて所持をしていたといい、国内で川や座布団に試し打ちまでしている。もし今、横綱が拳銃を密輸し国内で発砲しようものなら、大変なニュースになっていただろう。しかし当時は違った。発覚は本場所中だったが横綱たちは土俵に上がり続け、取り調べも本場所が終わってからに後回しされた。相撲も横綱だが、やらかしとしても「横綱」と言える。  拳銃を密輸してほとんど罰せられなかったことを考えると、阿炎が会食をしただけでこれほどまでに追い込まれるのは、不当なようにも見えるが、それだけ時代が変わり相撲協会がクリーンに変わりつつあるという証左だろう。さらにクリーンになり、無駄な雑音なしで集中して相撲を見られる時代がくることを、私たち相撲ファンは望んでいる。<文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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