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寝るだけで稼げるバイトだった「新薬治験」の実情。8か月の参加で…

自分を売って稼ぐ

あの「自分を売る」は今――治験

 新薬の有効性や安全性を確かめるための臨床試験である治験は、本来ボランティアだ。しかし、参加者には治験協力費の名目でカネが支払われるため、バイト感覚で集まる人は多い。都内で自営業を営む石田隆氏(仮名・48歳)もその一人だ。 「昔から、ラクなバイトの代表として、寝ているだけでカネがもらえる』といわれていた治験には興味がありました。ネットで『治験募集』で検索したらモニター募集のサイトがヒットしたので、そこに自分のデータを登録していたんです。年齢や性別、持病などの条件から、自分に合った案件がいくつか紹介されるという仕組みです」  その中から石田氏が選んだのは、ダイエット薬の治験。しかし、ラクだと聞いていたのに反して、予想以上に手間と時間がかかったという。 「薬の投与は週に1回、自分で腹部に注射を打ちます。それだけならいいんですが、食べたものを毎食欠かさずに記録する、そんな治験を8か月間も行いました。  さらに、始める前の3か月間は毎月1回、健康診断を受けないといけなかったので、トータルで11か月は治験に参加していたことになります」  ほぼ1年にわたる治験による稼ぎは、総額5万2000円。事前の健康診断では、1回目が5000円、2回目が5000円、そして3回目で1万円が発生。治験が始まってからは毎月4000円が支払われた。 「はっきり言って割は悪いです。でも、協力費が高額な治験は副作用のリスクも高くて怖いので……。まあ、毎月行う血液検査のおかげでタダで健康状態が確認できて、しかも食欲が落ちて食費は浮いたし、しっかり痩せられたので満足しています。  続けるコツですか? 『自分は今、医療の発展に貢献している!』と、意識高い系のような気持ちを持つことですかね」  安全な案件を選べば、小遣い稼ぎにはいいかもしれない。
自分を売って稼ぐ

’19年5~12月の間、ダイエット薬の治験に参加。毎月1回の血液検査を行いつつ、最終的に8㎏の減量に成功した

<取材・文/鶉野珠子(清談社)>
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