お金

パチンコを1ヶ月ぶりに打ったら遊タイムにびっくりした話

うんともすんとも言わない1万円

 1万円じゃ少し足りなかったのかもしれない。1ヶ月も寝かせたのにうんともすんとも言わなかった。あまりこういうことは少ない。勝てる月と勝てない月が交互に来るものだろう。そりゃあ負ける想定もしていたが、本当に負けると少し落ち込む。1万円をあっという間に使い果たし、バイト一日分だなあ、と冷静になる。荷物を整理しながらどんな演出が良いのか調べていると、「遊タイム」の文字が目に入った。しまった、と焦る。  遊タイム、とは、最近のパチンコ台に実装されているシステムのことで、一定回数ハズレが続くと強制的に時短モードに突入する救済措置のようなもの。このモードまで近ければ近いほど、勝つのに必要な金額は少なくなる。仮面ライダーもそのシステムを採用していて、僕が打ち終わった後には「遊タイムまで残り220回転」と書いてあった。220回転といえば、大体1万円と少しあれば到達する。普通に詳しい人が見たら僕は期待値を捨てたバカみたいに見えてしまう。  ……恥ずかしい!  尻ポケットの1万円と小銭しか持ってなかった僕は帰らざるを得ない状況で、誰にも見られないように席を立った。こんなミスは滅多にない。というかパチンコに天井をつけるなよ。いつ打っても等しく運なのが良いんじゃないか……。  顔を赤らめて早足で家に帰る。美味しい台を残してきた後悔よりも気づかなかった恥ずかしさが勝っていた。早く忘れてしまいたい。  アニメを見て忘れようと思ったが、昨日全部溜まっていたのを全部見てしまったので、特にやることもなかった。 「寝よ」  僕は寝た。寝ることでパチンコがうまくなってくれていたらいい。 〈文・犬〉
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩
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