更新日:2020年11月02日 14:15
お金

元マクドナルドCEO原田泳幸「タピオカブームが終わってもゴンチャは成長する」

原田泳幸、馬渕磨理子

コーヒー、お粥を新メニューに導入。その合理的根拠

原田:タピオカがどんなに好きな女子高生でも、月に来る回数には限界がありますよね。来店頻度を増やすためにはメニューのバリュエーションが必要なのです。馬渕さんのような30代以上の世代の方も普通にお越しいただく店にしたいのです。 馬渕:バリエーションはお茶以外にも増やすそうですね。 原田:今後は、黒糖ミルクティー、フルーツビネガー、コーヒー、お粥をラインナップとして押し出していきます。 馬渕:コーヒーは全店舗で取り扱いをスタートされるそうですね。 原田:その予定です。コーヒーを扱うことで、来客者の年代層を上げることができます。その次は男性に広げていく戦略です。 馬渕:なるほど。では、お粥を扱うのはなぜでしょうか。 原田:コーヒーを扱うことでお客様の来店頻度が上がりますよね?さらに、お粥を扱うことでセットメニューを提供できる。お粥は、朝食、ランチ、深夜といったあらゆる時間でのニーズがある商品です。カフェ時間以外のご利用者様を増やし、客単価向上につながります。 馬渕:なるほど。単にフードメニューを出すのではなく、それがお粥というのも合理的ですね。 原田:そうです。そして、これは方向転換ではないのです。ゴンチャは一貫してアジアンカフェのブランドです。

「今後はフランチャイズ経営は大きく二つに分かれていく」

馬渕:世界展開はどの程度現実的なのか伺いたいです。現在は、やはり韓国や台湾の店舗数が多いのでしょうか? 原田:韓国はスタバが約1000店舗、ゴンチャが約650店舗です。対して、日本は昨年で見るとスタバが約1500店舗で、ゴンチャが55店舗です。これが今年の暮れまでに約90店舗になる予定です。数年で日本国内400店舗を目指しています。 馬渕:400店舗は韓国とほぼ同数ですね。 原田:はい。実は、今年上半期のコロナの中でも、ゴンチャは新規店舗として35店舗増えているんです。 馬渕:意外です。なぜ新規出店が増えているのでしょうか? コーヒー、お粥を新メニューに導入原田:フランチャイズオーナーの各社が、今後のゴンチャの成長可能性を感じているからだと思います。ゴンチャのフランチャイズ事業は、人件費比率など細かいところまでちゃんと一社ずつ見ています。月に1回、1社ずつ、ラウンドテーブルを実施しています。各社のPLを見て、「人件費少し使いすぎですよ」「現在の課題はなんでしょう」など、かなり細かい経営のコンサルティングをやってます。 馬渕:かなり細かいサポートですね。が、店舗数が増えてきた場合、一人でやるには限界があります。 原田:その通りですね。ただ、解決策はあります。今日は初めてそれをお話いたしましょう。今後はフランチャイズ(以下、FC)経営は大きく二つに分かれていくと私は考えています。 馬渕:二つに分かれる? 原田:今まで通り企業が運営するコーポレートのFCと、個人事業主のFCの二つです。たとえば、コンビニはそうなっています。夫婦で一店舗経営されているのが個人事業主型のFCです。あのようなモデルをゴンチャも作っていかないといけない。 馬渕:コーポレートFCと個人FCの違いは? 原田:コーポレートの場合は一社ずつコンサルティングします。対して、個人FCの場合はグループで教育します。これは、大手コンビニチェーンのFC経営と同じです。
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飲食店のシェアリングエコノミーとは
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経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi

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