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SNSで話題「他店より美味いマクドナルドがある」って本当?元店舗マネージャーは「入った瞬間にわかります」

Xで話題になっている、大阪のマクドナルド庄内店の味がほかの店舗よりもおいしいという投稿。 マクドナルドといえば、全世界に約4万店舗、日本に約3,000店舗もの軒を構える世界最大のハンバーガーチェーン。いつどこで食べても安定した味が楽しめるため、旅行先や外出先でもふらっと立ち寄れる頼れる存在となっています。 食材や調理法が規格化されるチェーン店で、味に大きな違いは出るのでしょうか。 今回は、マクドナルドで13年勤め、店舗の責任者(マネージャー)としても活躍したはなえさんに、庄内店の味が特別おいしいとされる理由を分析してもらいました。
はなえさん

はなえさん

店舗によって味に差が出ることはある

ーー実際、店舗によって味が変わるなんてことはあるのでしょうか?にわかに信じがたいのですが… はなえさん:それが、普通にあります。私自身、さまざまな店舗で働きましたが、味の違いを感じたことは多々ありました。マネージャーとして勉強会に参加することがあり、そこで正しい方法で作られたミートパティやポテトを試食します。 食べてみると、うちの店舗で作るものとは香りがまったく違うんです。ポテトは外側のカリカリ具合や、中のホクホク加減が完璧。一見薄味に思えるけど、規定量を食べきるとちょうどいい味だったな、と感じる絶妙な塩梅。 うちの店舗でもマニュアル通りに作っていますが、ここまで味に違いが出るのかと感心したものです。 ーーずばり、店舗によって味が変わるのはなぜなのでしょうか? はなえさん:マニュアル通りにやっているか、に尽きると思います。

常にマニュアル通りにできず味にブレが出ることも

ビックマックセットーー意外とシンプルな答えですね!でも、どの店舗でもマニュアル通りに作っているはずですよね? はなえさん:そのはずです。ですが、実際にマニュアル通りにやっているかと言われると微妙なところがあります。たとえば、忙しい時間帯はマニュアル通りにやりたくてもなかなかできない、なんてことはありそうですよね。 例を挙げると、サンドイッチ(※バーガー類の総称)のソース。ソースは目分量で入れるのではなく、専用の機器を使うため量は人によってぶれないことになっています。ただ、使う人の力加減や機器の組み立て方で量が微妙に変わることもあります。 忙しい時間帯は力加減が一定でなかったり、ソースの補充が遅れたりして、量が安定しないこともありえるでしょう。 あとはポテトも油が汚れていると、全体的に茶色くなり味や香りに違いが出ます。毎日リトマス紙みたいな紙を使って同じ時間帯に油の質をチェックします。大きいお店ではすぐに汚れてしまうので、早めに交換することが多いです。 しかし、店舗によっては忙しさや人員不足により「まだ交換しなくてもいいか」と甘いチェックになるかもしれません。 ーーたしかに、忙しい時間帯は「分かっているけど丁寧にできない」というジレンマはあるかもしれないですね。 はなえさん:とくに、忙しい時間帯っていろんな動作の目標タイムが決まっているんです。「注文を受けてから商品を提供するまで◯秒を目指そう」みたいな感じで。タイムはコンピュータにすべて記録され、本部にも報告がいきます。 マクドナルドはできたてを提供する「メイド・フォー・ユー」システムを採用しているため、作り置きはできません。 「もっと丁寧に作れるけど、大量の注文を捌きつつ本部にも報告しなければならない」とのジレンマを抱えるマネージャーは多いと思いますよ。
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老若男女がアツくなれる“部活”の雰囲気が味を支えていた
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韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。X:@bleu_perfume

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