更新日:2020年11月16日 13:43
お金

ニトリ、島忠買収の衝撃。もはや「家具の会社」ではない

「ニトリは何の会社?」答えは…

 以上がニトリの2021年以降の展望ですが、もうひとつだけ言及しておくべき新たな戦略があります。それが、ファッション。意外かもしれませんが、ニトリは「N+」(エヌプラス)という働く女性のための洋服を企画し、通販サイトも立ち上げいます。  2021年2月期第2四半期(2020年2月21日~8月20日)の決算説明会で、似鳥昭雄会長は「Nプラス(N+)」の取り扱いを200店舗まで広げる構想を明かしています。現在は、ららぽーとやイオンモールといった一部商業施設に展開していますが、これがさらに広がるのです。  他にもアクセサリーといった小物も販売しており、コート類以外の価格帯は税込4000円以下の低価格に統一。ここでも「お、ねだん以上。」が発揮されています。  今後、小売業業界で起きるのは、取り扱う商品を横断した店舗展開です。アメリカでは、アマゾンが食品雑貨大手ホールフーズなどの実店舗を買収し、ウォルマートがネット企業を買収しています。  ECも店舗も、家具も、食器も、服も、ぜーーんぶ一緒の場所で、あるいは一緒の企業が売る。そんな未来が待っています。  もはや、「ニトリは何の会社?」「アマゾンは何の会社?」という質問が見当違いな時代が訪れているのです。
馬渕磨理子

馬渕磨理子

経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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