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2020年「コロナ倒産」した企業を振り返る。レナウン、エアアジアetc.

自ら事業を閉じる選択をする企業が急増

 また、倒産件数は抑制されていても、倒れる企業はそれだけではない。自ら事業を閉じる休廃業や解散という最後を選ぶ企業はむしろ急増しているのだ。同社が発表する1~10月までの休廃業・解散の速報値は4万3802件で、すでに2019年の年間の件数を上回っている。このペースで推移すれば、2000年の調査開始以来の最多件数を更新しそうな勢いだという。 「先行きの厳しさを見通して、近い将来の倒産を避けられないと考えた経営者が、余裕のあるうちに事業を閉じる選択をしていると考えられます。後継者問題を抱えていた企業が、コロナ禍にダメ押しされて継続をあきらめたケースも多そうです」(友田氏)  年末年始を目前にして決定したGOTOトラベルキャンペーンの一時停止の影響も、気になるところだ。なにしろ年末年始は旅館やホテルなど宿泊業者にとっては、宿泊料金を高額に設定してもどんどん部屋が埋まる書き入れ時だ。キャンペーンの一時停止自体は、割引や地域共通クーポンの発行が受けられないだけであり、感染対策に配慮しながら自費で旅行することに制限はない。しかし、こうしたタイミングでのキャンペーン停止は旅行そのものを悪とするような風潮につながりかねず、復活を模索していた観光業に大きな打撃を与えかねない。  新しい年も引き続き、新型コロナの感染拡大に加え、経済も厳しい状況が続きそうだ。
フリーランス記者/ファイナンシャルプランナー。地方新聞記者、編集プロダクションを経て独立。主な執筆分野は資産運用、年金、社会保障、金融経済、ビジネスなど。新聞、雑誌、ウェブメディアなどで取材記事やインタビュー、コラム、ルポルタージュを寄稿
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