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どケチなのに2台も買ったPCディスプレイ。大きさでも価格でもないオススメポイント

大きさじゃないディスプレイ選びの基準は?

 かつては、「大きいほうが高い」というようにわかりやすかったディスプレイ選びですが、現在の基準では「解像度の高いIPSが高い」となっていることをお伝えしました。  しかし、実は「解像度の高いIPS」をもってしても、まだ「高級ディスプレイ」の基準に達していません。  たとえば、「4K、IPS、27インチ」といったスペックを備えたディスプレイが約3万3000円で売られている一方で、何の変哲もない21.3インチのディスプレイが7万円以上もするという例があるわけです。  この価格差は何なのか? 実は公表されているスペックを見ただけではわからない価値があるのです。  なぜ、21.3インチなのに高いのでしょうか?  その答えは、このディスプレイに使われている液晶パネルが日本製だからでしょう。近ごろは、国内製造・海外製造を問わず、世の中に出まわっているディスプレイの液晶パネルは、ほぼ外国製といっても過言ではありません。外国製の液晶パネルには当たりがある反面、ハズレがあるのが残念なところ。機種によっては、画面を見ていると目が疲れるといった製品もあるぐらいなのです。  その一方で、この割高なディスプレイには日本製の液晶パネルが使われています。海外製のパネルと比較して、日本製パネルは、信頼度が高く、実際多くのユーザーが「キレイ」だったり「目が疲れない」という感想を述べています。  往年の名機として名高いEIZOの「L997」も日本製パネルが使われていたということで有名ですが、とにかく日本製パネルの「美しさ」は評判が高いのです。  ですから、現時点における「いいディスプレイ」の基準こそ、私は「日本製の液晶パネルを使っている機種」とするのが最もわかりやすいと思います。

日本製パネルが使われているといわれるS2133-HとCG2420-Z

 私が買ったEIZOのS2133-HとCG2420-Zも、この「日本製パネル」が使われている(といわれている)製品です。メーカーから公式発表されているわけではありませんが、「displayspecifications.com」を見る限りでは、このS2133-Hのパネルはパナソニック製とのこと。有志がディスプレイ内部を分解したところ、しっかり「Made in JAPAN」の文字があるのを写真に収めています。
CG2420-Z

CG2420-Z

S2133-H

S2133-H

 日本製パネルを採用しているPCディスプレイを買った私ですが、感想をひと言でいうならば「かなりオススメ」ということになります。  どちらも、画面がキレイなのはもちろん、文字もくっきりしていて、明度を暗くしても綺麗に表示されるのです。ですから、1日中画面を見ていても疲れないですし、作業効率もかなり上がったと感じています。「なんか違う」と思ったら、すぐに売ってしまう私ですが、今のところこれら日本製パネルのディスプレイは、ずっと使っていたいと思っています。  しかしながら、この日本製液晶パネルを採用するディスプレイ、今後入手できなくなる可能性があるのです。  なぜかというと、パネルの製造元であるパナソニックが、2019年に「パナソニック液晶ディスプレイ株式会社による液晶パネル生産を、2021年を目処に終了」と発表したからです。  つまり、日本製の液晶パネルを採用するディスプレイは、近い将来、物理的に生産できなくなってしまうため、買うチャンスは今しかないわけです。  そのため私は2台も買ってしまったわけですが、勢いで買ったものの、今のところかなり満足しています。
CG2420-ZとS2133-H

CG2420-ZとS2133-Hを2台接続している筆者のワーク机

 ちなみに、日本製パネルを採用しているといわれている現行ディスプレイは数えるほどしかなく、その大半が医療用など特殊用途といった傾向にあります。今回私が購入したCG2420-Zもクリエイティブワーク向けの特殊ディスプレイで、その実勢価格は17万円ほどとかなり高価。  それに対して、21.3インチのS2133-Hは、実勢価格が7万円台と、日本製パネルを採用するディスプレイとしてはかなり安価な価格帯となっています。ですから私としては、S2133-Hを、価格と性能のバランスがいいディスプレイとして推奨したいと思います。  
displayspecifications.com

displayspecifications.comでは、各ディスプレイに採用されているパネルを調べることができる

 なお、今回紹介したディスプレイ製品については、日本製の液晶パネルを使っているということをメーカーは公式に謳っていないため、あくまで「日本製のパネルが使われている可能性がある」ということで、ご了承ください。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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