更新日:2021年03月22日 15:27
仕事

仕事や人生に行きづまったら。壁を壊す“たった一つの習慣”/出口治明

水があふれるようにアウトプットできる瞬間が来る

 そうやってインプットの蓄積を増やしていくと、あるところを境にして、あたかも水槽の水があふれ出るようにラクにアウトプットができるようになる瞬間がきます。そうならないうちはまだまだインプットが足りないのです。
出口治明氏

出口治明氏

 「量」と同時にインプットの「幅」も大切です。よく「自分の仕事や趣味の話ならいくらでもできるが、それ以外の分野のことにはまるで関心がない」という人がいますが、こういう姿勢だと、ものの見方や考え方が硬直化してしまい、肝心の自分の専門分野でも柔軟な発想ができなくなってしまいます。  とはいえ、書店に入ったらどの棚の前に立つかということがだいたい決まっているように、自分から未知の分野の情報を積極的に集めることは、なかなかしんどいこともまた事実です。

たとえば毎日違う店でランチしてみる

 そこで、インプットの幅を広げるためには、生活のどこかを変えてみるといいと思います。たとえば、ランチをいつも同じところで食べている人は「これから3カ月間は今まで一度も入ったことのない店で食べる」とまず自分で決めるのです。そうするとイタリアンは嫌いだとか、この店は雰囲気的に入りにくそうだとかいう理由で敬遠していた店にも行かざるを得なくなります。  そういう店にもしぶしぶ足を運び、慣れないメニューを眺め、いつもと違ったお客さんの会話を耳にするようになると、それがそのままインプットの幅を広げることにつながります。  ちなみに、僕は、昔、有楽町のオフィスに勤めていたときには、銀座の一丁目から九丁目までのレストランのランチを軒並み制覇しました。もっとも、僕の場合はインプットの幅を広げるためというよりは、いろいろな体験ができることがとにかく楽しかったからなのですが。 <文/出口治明>
(でぐち・はるあき)1948年生まれ。京都大学法学部卒。1972年、日本生命に入社し、ロンドン現地法人社長などを経て2006年退社。同年、現・ライフネット生命を創業、社長・会長を務める。2018年より立命館アジア太平洋大学(APU)学長。著書に『全世界史』『人類5000年史』『還暦からの底力』『カベを壊す思考法』など多数。Twitter:@p_hal
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カベを壊す思考法

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