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<純烈物語>クドカン的音楽手法に音で返す。リーダー酒井はなぜドラマ『俺の家の話』に突き動かされたのか<第88回>

「どうしてクドカンさんが純烈を持ってきたのかは、聞いていない」

「どうしてクドカンさんが純烈を持ってきたのかは、聞いていないんですよ。あの家族がハワイにいった時のしあわせそうな写真があって、それがハワイだからハワイアンズが出てきて、阿部サダヲさんの音、お風呂つながり……というところからの着想だと思うんですけど。あとは純烈も、あのステージでやったという情報がいっていたのかもしれない。  普通に、純烈伝わるのかよ?という話じゃないですか。ただ純烈が伝わらなくても、純烈がやっていることがアベサダさんによって楽しいものになっている。あれを見て、純烈って素敵なバカやってんなあと思いましたもん」  2021年の純烈は3月の時点でシングル『君がそばにいるから』に加え、純烈ジャーの主題歌『NEW(入浴)YORK』を配信し、音源としての形にはなっていないもののそこに『秘すれば花』と、3曲分の看板を掲げることとなった。毎年、紅白狙いの一曲で勝負していただけにこれまでとは違う展開だ。  こうなると、酒井の妄想もまた頭をもたげてくる。『秘すれば花』を純烈のライブで披露するか聞いたところ「しないよ。するところないでしょ」とのことだったが……。 「僕らは『君がそばにいるから』で紅白を目指しているけど、アベサダさんが『いだてん』(NHK大河ドラマ)絡みで復活(グループ魂で2005年の紅白歌合戦に出場)して『秘するが花』をやることになって、純烈がコーラスをやらないかとなったらやるしかないよね。あるいはアベサダさんがTBSの歌番組に出て、純烈がバックという夢もゼロではない」  御園座の舞台で、里見浩太朗による“ホンモノの”黄門様の隣にいる助さんは、そんなことを考えてはひとり名古屋市内のホテルの一室にこもり、ほくそ笑んでいるのだ。
(すずきけん)――’66年、東京都葛飾区亀有出身。’88年9月~’09年9月までアルバイト時代から数え21年間、ベースボール・マガジン社に在籍し『週刊プロレス』編集次長及び同誌携帯サイト『週刊プロレスmobile』編集長を務める。退社後はフリー編集ライターとしてプロレスに限らず音楽、演劇、映画などで執筆。50団体以上のプロレス中継の実況・解説をする。酒井一圭とはマッスルのテレビ中継解説を務めたことから知り合い、マッスル休止後も出演舞台のレビューを執筆。今回のマッスル再開時にもコラムを寄稿している。Twitter@yaroutxtfacebook「Kensuzukitxt」 blog「KEN筆.txt」。著書『白と黒とハッピー~純烈物語』『純烈物語 20-21』が発売

純烈物語 20-21

「濃厚接触アイドル解散の危機!?」エンタメ界を揺るがしている「コロナ禍」。20年末、3年連続3度目の紅白歌合戦出場を果たした、スーパー銭湯アイドル「純烈」はいかにコロナと戦い、それを乗り越えてきたのか。

白と黒とハッピー~純烈物語

なぜ純烈は復活できたのか?波乱万丈、結成から2度目の紅白まで。今こそ明かされる「純烈物語」。
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