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政治系ユーチューバーが語る「間違いに気づいたときの対処法」

決めつけは思考の幅を狭める

ライトなライト論

女性蔑視発言を受け、東京五輪組織委員会の会長を辞任し、一礼する森喜朗前会長。歳を取ると凝り固まった考えや認識に固執しがちだが、間違いがあったときは謙虚になり、柔軟に考えを改めるようにしたいものだ 写真/時事通信社

 柔軟に考える上で気をつけるべきなのは、「保守だったら○○」、「リベラルだったら△△」のように決めつけすぎないことです。一気に思考の幅がなくなってしまいます。  別に同性婚や選択的夫婦別姓に前向きだったり、脱原発を志す「保守」がいてもいいし、自主防衛を目指すリベラルがいてもいいのではないでしょうか。そこでいろいろ議論したらいいでしょう。  しかしネットでは、そのわかりやすさゆえか、「〇〇だったら△△」になりがちです。そしてその枠から外れると叩かれることだってあります。ネットには大小さまざまな「界隈」があって、日々、ツイッター等で固定観念を共同で強固にしているようなものです。十分に気をつける必要があります。

一貫性にこだわりすぎてはいけない

 もう一つ言っておきたいのは「一貫性にこだわりすぎてはいけない」ということです。普通、社会生活を送るうえで一貫性はあるほうがいいに決まっています。すべてが一貫性なくコロコロ変わってしまっては、仕事もうまく進まないでしょう。しかし、間違ったことで一貫性を発揮されるともっと間違えることになるので、臨機応変な対応が求められます。  人間誰しも間違えたくないですし、間違った場合でも容易に認められないのが人情です。第1回の連載で書きましたが、一部のトランプ支持者はもろに一貫性の法則が生きています。もうバイデン大統領が就任して2か月以上経過しましたが、いまだに認められない人もいる様子です……。 『影響力の武器』という有名な心理学の本がありますが、その中に「コミットメントと一貫性」という話が出てきます。要はコミットメント(立場を明確にしたり、公言したりする)すると、人間は一貫性を保とうと行動してしまうものだということです。  一部トランプ支持者はツイッター等で自主的にコミットメントを表明し、図らずも自らに“一貫性の法則”の呪縛をかけてしまいました。  一貫性を保とうとしても不都合な情報が出る場合があります。そんなとき人はそれを認めることができず、間違った一貫性を守るために事実の解釈を変えてしまいます。そんなのは問題の先送りでしかなく、底なし沼に自分から突っ込んでいくようなものでしょう。
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動画配信者、作家。1988年、北海道帯広市生まれ。2012年より、YouTubeとニコニコ動画にて「KAZUYACHANNEL」を開設し、政治や歴史、社会問題などのニュースをほぼ毎日配信する。YouTubeのチャンネル登録者数は70万人超、ツイッターのフォロワーは11万人超。『日本人が知っておくべき「戦争」の話』など著書多数

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