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借金500万円を返済…コロナ“協力金バブル”の恩恵を受けた人たち

 緊急事態宣言が解除され、これまでの日常が戻るかと思いきや、東京都内での飲食店に対する時短要請は4月21日まで「継続」と発表された。応じた場合の「協力金」は、以前は1日6万円だったが、今回は4万円が支払われる。
飲食店

※写真はイメージです(以下同)

 多くの飲食店が厳しい環境に置かれているが、協力金は店の規模を問わず“一律”であるため、「協力金バブル」の恩恵を受けて過ごす人たちもいるという。そして、その意外な使い道とは……!?

持続化給付金と協力金のおかげで借金返済

「先日友人に貸してた500万円が戻ってきました」  そう話すのは、神奈川県在住の岡本晃介さん(仮名・30代)。返済されたお金は、コロナの休業補償金や協力金から出されたものだったという。  数年前、友人と一緒に事業をやろうという話になり、岡本さんが事業資金を半分負担することに。  友人には飲食店の経営を任せていた。しかし鳴かず飛ばずの状態で、毎日のように赤字が続いていた。それは何か月も続いたため、ある日、岡本さんは各店舗の店長に売上高の集計を取らせることに。すると、明らかに聞かされていた数字と食い違っている。友人が利益を自分の懐に入れていたことが判明したのだ。 「ずっと赤字だと言われていたのですが、台帳を見たら黒字だったことが判明したんです。友人だからもちろん信用していたのに、問い詰めたらまさかの黒でした……」  友人は店の売り上げを全てFX、株の投資に使い込み、溶かしてしまっていたのだ。しまいには、当時同棲していた彼女の、クレジットカードにまで手を出していたのだとか。

売り上げ低迷でも利益はプラスに

 コロナ禍に突入し、岡本さんがかかわる飲食店も売り上げが低落し始めた。ところが、持続化給付金や協力金のおかげで利益はプラスに。  使い込まれたぶんを、協力金から返済してもらったのだ。 「銀行から借りてたら自己破産という手もあったのかもしれないけど、知り合いから借りている手前、自己破産はできなかったんでしょうね」  友人は彼女や岡本さんだけではなく、数多くの知人からもお金を借りていたのである。岡本さんの知ってる範囲だけで、総額は1500万円超え。  彼の返済はまだ終わらない。友人たちから信用を取り戻すことができるのは、まだ遠い日の話だろう。
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コロナ禍で個人投資家が増加
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