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出世を諦めた年収700万円の地方公務員、それでも充実の日々と語るワケ

労働政策研究・研修機構の調査によれば、34%のサラリーマンは課長以上になれない。“出世&仕事”ができない男たちが生き残る術は何か。独自の処世術で抜け道を探し、生涯サラリーマンを貫く男たちの生き様に迫る。今回は少年野球の審判ボランティアで充実した日々を送る40代男性を取材した。

少年野球の審判で地域貢献。趣味を通じて友人も増えた

[仕事できない人]の生存戦略

※写真はイメージです

 採用試験さえ突破すれば定年まで雇用が保障される公務員。そのせいか勤労意欲の低い職員も多く、市民から「仕事が遅い!」などたびたび批判されることも。 「私は高卒入所組だし、出世が無理なのはわかりきっていたこと。怠けているつもりはないですが上昇志向もないですし、確かに仕事はできるほうじゃないかも(笑)」  そう本音を明かすのは、年収約700万円の地方公務員・田所俊二さん(仮名・48歳)。仕事は生活の糧を得るための手段と割り切っており、プライベート重視の生活を送っている。元高校球児の経歴を生かして20~30代は地元少年野球チームの指導者を務め、週末は野球漬けの日々だったという。 「好きな野球を通じて地域に貢献できることに魅力を感じていました。コロナ前は保護者の方とよく居酒屋で野球談議に花を咲かせていましたし、ほかにも子供たちを交えてバーベキューや食事会を開き、私自身も楽しんでいました」

現在は審判ボランティア

 だが、40代になったのを機にクラブの指導者から引退。現在は不定期に審判ボランティアや臨時コーチとして参加する程度とか。 「ずっと審判に興味があったんです。こういう審判ってボランティアなんですが、当然みんな野球好き。同じ講習会に参加した縁で友人になった人もいます。大人になると友達をつくりにくいと聞きますが、私はプライベート重視の生活のおかげで友人ができやすい環境だったんだと思います」
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