働き方を選べるのは“エリート”だけ?専門家が考える「日本の雇用」の問題点
今サラリーマンの出世に対する価値観は大きく揺らいでいる。収入と仕事量、責任が合わずコスパが悪いとされる管理職より、ライフバランスを優先、悠々自適なヒラ社員人生を好む人も。アラフィフ、年収500万ヒラ社員と年収700万円管理職ならどっちが「得」なのか?
安月給で緩く働くヒラ社員と、仕事の負荷と引き換えにそこそこの給料をもらう管理職。こう考えるとどちらが「得」かは甲乙つけ難いが、雇用の事情に詳しい海老原嗣生氏は疑問を投げかける。
「そもそも、給料が低くても出世が見込めなくても死ぬほど働け、という方針の企業は少なくない。大企業だと仕事の負荷がある程度分散されるし、昇進の段になれば管理職になるかどうかを選ぶ余地がありますが、中小企業の場合そうはいきません。1人あたりの仕事の負荷が大きく、手を緩めることもできないまま低賃金で働くしかない、この状態は問題です」
つまり、働き方の選択肢を与えられているのは大企業勤務のエリートだけなのだ。
もう1つの大きな問題として、出世するかどうかは年を取るまでわからない。
「課長の最終登用年齢がだいたい40代後半だから、50歳頃まで出世をエサに滅私奉公させられる。また、年次とともに上がっていく職能等級なるものが存在し、これとともに給料も上がる可能性があるから、職能等級が上がることを期待して頑張り続けてしまう」
中小企業と大企業で生まれる格差
年を取るまで出世するかどうかわからない
1
2
様々なメディア媒体で活躍する編集プロダクション「清談社」所属の編集・ライター。商品検証企画から潜入取材まで幅広く手がける。
記事一覧へ
記事一覧へ
この特集の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ