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pato「おっさんは二度死ぬ」復活!  キンタマの痛みに耐えながら第二章開始

おっさんは二度死ぬロゴ ロゴ:ヒールちゃん(@heelhell【「おっさんは二度死ぬ」 2nd Season】  第一回:ーーキンタマが腫れたーー

やがて下半身全体が筋肉痛のように痛み出した

 キンタマが腫れた。  昨年2月、僕の体調不良により日刊SPA!のこの連載が停止し、約1年半もの沈黙を破ってこのたび復活することとなった。それに際して、まさか「キンタマが腫れた」なんて文言で復活することとなるとは、人生はわからないものである。  それ以上にわからないのは、この突如として腫れあがったキンタマだ。いったい何がどうなったらこんなことになってしまうのだろうか。普通に考えて、真っ当に生きているのにキンタマが腫れるってのはそうそうないことだ。  その日は、朝からキンタマが痛かった。なんというか潰れた時みたいな違和感が常にあったのだ。  この辺は男性の方なら理解してもらえると思うのだけど、ちょっと椅子に座るときなどにポジショニングが悪くて軽く圧力がかかり、ちょっとした違和感を覚えることがあると思う。ちょうどそれに近かった。  ただ、普通はそんなの一瞬だし、そうそう何度もあることじゃない。ただ、その日の僕は、その潰れた違和感が何度もあった。それでも異常を察することはできず、妙な日もあるものだ、今日はキンタマの厄日だな、などと呑気に構えていた。  本格的に深刻になったのは仕事を終えて帰宅してからだった。もはやキンタマは常時痛むようになっていて、それどころか下半身全体が筋肉痛のように痛むようになっていた。明らかに異常だ。何かがおかしい。それなのにここに至っても呑気に構えていて、昨日けっこう歩いたし、その筋肉痛かな、などと考えていた。キンタマの痛みはまあ、厄日なんだろうと納得していた。  

サンバカーニバルのごとく暴れ出した痛み

 そうこうしていると、キンタマがサンバカーニバルの如く痛み出した。もはや手加減無用。キンタマに自我が生まれて本体を乗っ取ろうとしているレベルの痛みだった。ここに至ってついに痛みで歩けないようになってしまった。歩くとキンタマに響き、その度にキンタマが覚醒し、僕本体の自我が薄れていくような感覚だった。キンタマのヤツが本気で乗っ取りにきている、そう思った。  いよいよ痛みが尋常じゃないレベルになってきた。人類が我慢できるレベルではない。完全に動けない。それどころか熱まで出てきた感じがする。何か大変なことがキンタマで起こっている。そう確信するには十分だった。  キンタマが痛くとも腹は減る。というか、何か栄養を取らなければ本当にキンタマに本体を乗っ取られてしまう。這うようにして冷蔵庫に移動し、中身を確認するとキムチしか入っていなかった。本当にキムチには申し訳ないし、キムチは悪くないし、完全に僕の偏見なのだけど、キムチみたいな刺激物はキンタマに良くない感じがして躊躇した。  しかし、収穫はあった。冷凍庫にデカい保冷剤があったのだ。バーベキューの時にクーラーボックスに入れて飲み物を冷やすために購入したものだ。板状で、A4くらいのビッグサイズのやつでキンキンに冷えていやがる。  「冷やせばいいのでは」  キンタマは既にオーバーヒート状態であり、熱を帯びていた。冷やせば良くなるような感覚があった。いささかギャンブルではあったが、キンタマにあてがってみた。  「イエス」
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