仕事

「仕事でラクすることは悪?」中年会社員を不幸にする真面目すぎる国民性

仕事観を変えなければ、体力・気力が限界に

 父親とは時代が違うし、たどる人生も違う。そう割り切って、自分自身の仕事観を掴み取るべきだが、続いてのアンケート「Q 現実的に何歳まで仕事すると思いますか?」に、「定年退職で引退」が4割を占めた。やはり親世代の働き方をなぞりたがる中年世代。コピーライターの田中泰延氏は、こう現実を指摘する。 「電通を辞めたのが47歳の頃。それまで財形や貯蓄をし、早期割増退職金も出ましたが、それでもFPから『FIREするには1億円足りない』と言われました。人生100年時代と言われる今、年収600万円ほどで65歳定年・即引退は、人生設計がファンタジーと言わざるをえません」 中年のお悩み白書Q4 そこで前川氏は「今こそアルバイトでも副業を始めるべし」と助言する。 「新卒入社から会社員一筋で20年以上。副業に抵抗があるのはわかりますが、会社村のなかで狭まっている視野を広げることにも役立ちます。また、シニアに交じって働くことで、定年後の自分をリアルに想像できるようになります」

仕事に求める価値は何ですか?

 仕事観をアップデートできれば、アルバイトにも真摯に取り組める。だが、「Q 仕事に求める価値は何ですか?」の結果から「いまだに価値観を更新できておらず、親世代の仕事観に引きずられているのでは」と田中泰延氏は指摘する。 Q.仕事に求める価値は何ですか?(3つまで選択可) ・満足のいく収入 61.1% ・やりがいや達成感 47.8% ・働きやすさや生活との調和 46.8% ・人間関係の広がり 13.4% ・とにかく楽であること 19.4% ・出世や名誉 8.2% ===== 「一見、『出世や名誉』が顕著に低いので価値観が変化しているかと思いきや、年収別に見ると『満足のいく収入』は収入の多寡にかかわらず約6割と一定。それに対し、『楽であること』と回答した人は、年収300万円台が約2割、年収800万円以上が約1割と差が出ました。  つまり、収入が増えてもそれほど満足度が上がるわけでもないのに、『収入に見合うだけ働かなくちゃ』と自分自身を追い込んでしまう。これが終わることのない日本の“ラットレース”の正体なのです」
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いかに楽して、細く長く続けるか?
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