仕事

新人時代の「仕事ができない」無力感を抜け出す方法

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第260回
佐々木

写真はイメージです

「俺はこの会社にいらないんじゃないか」

 こんにちは、佐々木です。今回は「新人時代の無力感」について話します。  私が相談を受けた社会人二年目の男性は、自分の仕事ぶりに悩んでいました。不慣れな会議進行を1ヶ月に渡って任され、仕事のできる先輩からダメ出しを繰り返されたことで、「俺は(この会社に)いらないんじゃないか」という考えから抜け出せなくなったのです。  不慣れな新人が仕事の適性について思い悩む。これはあらゆる職場で起きています。自分はその仕事に向いていないのだろうか。それとも、ただ慣れていないだけなのだろうか。それを想像だけで判断するのは困難だからです。  結局転職したから、その仕事は向いていなかった。とにかく続けていたらできるようになったので、慣れていないだけだった。そうした結果論で納得するしかない部分がたくさんあります。

仕事の悩みは人間関係

 しかし、この相談者が悩みから抜け出すために、適性の有無や判断は関係ありませんでした。本当の「悩みの種」は別の部分にあったからです。  その別の部分とは人間関係です。相談者は仕事のできる先輩からダメ出しを受けた時に、「こんなこともわからないとか、お前ヤバイよ」と人格攻撃を受けていました。それが落ち込みの本当の原因だったのです。  この相談者は先輩との関係から、「自分はいらない人間なのではないか?」と悩むようになりました。その悩みから抜け出すために取り組むべきなのは、仕事の適性の判断なのか。それとも先輩との人間関係なのか。人生相談では後者を選択します。  話を詳しく聞いてみると、その先輩は明らかに天狗になっていました。仕事ができる20代後半にありがちな状態です。確かに個人プレーの部分では秀でているのかもしれません。しかし、会社で働くのはチームプレーです。にもかかわらず、「こんなこともわからないのか」「お前ヤバイよ」といった非教育的で不必要な毒を吐く。本当に仕事ができる会社員はそんなことはしません。  とはいえ、20代後半の若者が天狗になって、後輩にイキり散らすのもよくわかります。完璧な人間などこの世にいないからです。この種の人は30代になると自分が調子に乗っていたことに気づいて反省し、後輩との接し方も丸くなります。
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新人と先輩を「仕事の出来」で比べること自体ナンセンス
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