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情熱は仲間からもらえ

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第259回 情熱

情熱は仲間からもらえ

 こんにちは、佐々木です。今回は「自分の情熱の見つけ方」について話します。  私が相談を受けたある男性は、障害者スポーツ「ボッチャ」の普及に13年間携わっていました。それが去年、あることをきっかけに、子供や高齢者まで楽しめるようにルールを簡単にしたレクリエーションボッチャの普及に方針転換しました。  方針転換のきっかけになったのは、ある町に住む町内会長です。二人のつきあいが始まったのは3年前。その町内会長が自分の町内でボッチャの大会を開きたいと考え、「詳しく教えて欲しい」と相談者にメールを送ったのが始まりでした。  ボッチャの普及活動をしていた相談者はこの依頼を引き受け、ルールやコツを教えるだけでなく、実際の大会運営も手伝いました。また、相談者が別の地域で大会を開いた時に、町内会長が手伝ってくれることもありました。持ちつ持たれつ、お互いに助け合って、ボッチャ普及に勤しんでいたのです。  とはいえ、最初から上手くいくことはなかなかありません。町内会長が開いた大会も、「なかなか参加者が集まらない」「参加してもリピーターにならない」という課題を抱えていました。  それでも二人は諦めることなくカフェなどで集まって、「どうすればもっと喜んでもらえるか?」と作戦会議を繰り返していました。そんな関係が2年ほど続きました。

突然仲間がいなくなった

 二人のやりとりが途切れたのは、コロナ禍によって活動を自粛せざるえなかったからです。「しばらくお預けですね」とやりとりを交わしたのを最後に、しばらく連絡を取らない時間が続きました。  それから半年後、町内会長の子供から電話がありました。それは「父親が脳梗塞で倒れて、ボッチャに関われなくなった」という連絡でした。相談者はショックを受けつつ、「お大事にとお伝えください」と頼んで電話を切りました。  この電話のあと、相談者は二年間のやりとりを振り返りました。そして、その振り返りのなかで、「もっとルールを簡単にしたボッチャを作ろう」と考えました。その町内会長が困っていたのが、「わかりやすいルールも解説書もなく、現行のルールでやるとつまらなそうな顔してる参加者がいる」という部分だったからです。  相談者には13年で培ったボッチャの知識と経験があります。どんな部分が魅力的で、どんな部分がとっつきにくいのか。その見当もおおよそついていました。  また、ボッチャのとっつきにくさは、関係者の間では以前から話題になっていて、ルールを簡単にアレンジした『レクリエーションボッチャ』を求める声もよく聞いていました。こうしたことを踏まえて、相談者は「俺ならやれるんじゃないか」と感じたそうです。  ルール作りを始めた相談者は、まず自分の関係者に試してもらい、その感想をルールに反映させていきました。また、地域の小中高校からボッチャの講習を依頼された際は、教師に了解を得た上で生徒たちに遊んでもらいました。  中学生や高校生が夢中になって遊ぶ姿を見て、「これ面白いよ」という言葉を聞いた時に、相談者は「これだと思った」と言います。そして現在は『日本レクリエーションボッチャ振興協会』という団体を立ち上げ、『ワンボッチャ』という名称で普及に努めています。
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仲間の存在なくして物事は続かない
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