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電車の中で女子高生と二人っきり…おっさんが取るべき行動は

【「おっさんは二度死ぬ」 2nd Season】  第三回:南海電車と女子高生

5月某日、緊急事態宣言下の大阪で

 おっさんはおっさんなりに気を遣うものだ。  5月某日、緊急事態宣言下の大阪にいた。不要不急の移動は好ましくない状況ではあったが、用であり急である用件があったので大阪の地へと赴くこととなった。  大阪の街はひっそりとしていた。あれだけ賑わっていた街並みはシャッターに彩られ、隙間もないほど人で敷き詰められていたアーケード通りは、へえ、ここってこんな床タイルだったんだと、今まで見せたことない一面を見せていた。  土曜日の昼下がり。用件も終わり、あとは飛行機で帰るために関空まで行くだけだった。飛行機の時間まで少しあったけれども、まあ、大阪の街は動いていないので特にすることもない。早めに関空に行こうと南海電車に飛び乗った。  本来なら、ラピートという、別途に指定席特急料金みたいなものがかかる電車にのって関空まで一気に移動するところだけど、まあ、時間もあるしいいかと、別料金の必要がない急行列車に乗った。南海電車、なんば発、関空行きの急行列車だ。

関空に向かう車内はおっさんの僕と女子高生だけになった

 やはり緊急事態宣言下の大阪だ。土曜にしては乗客が少ないと感じた。そもそも駅を行き交う人の数も少なかったが車両内はそれ以上だ。それでもある程度は人の姿があったのだけど、駅に停車するたびに人が降り、明らかに降りる人に対して乗ってくる人は少なかった。  ついには岸和田あたりでドカッと乗客が降りたことで完全に人がいなくなってしまい、車内には僕と制服姿の女子高生だけになってしまった。この時間帯のこの路線では、そうそうにあることではないと思う。それだけ緊急事態宣言の効き目がすごいのだろう。  緊急事態宣言下でも変わらず学校があったのだろう、もしかしたら遅れた勉強を取り戻すために土曜にも授業があったのかもしれない。それとも部活動だったのかもしれない。女子高生は土曜日だというのにきっちりと制服を着ていて、疲れていたのか一番端の座席で眠りこけていた。  車内アナウンスが「まもなく泉佐野駅に到着します」と告げる。泉佐野、関空への玄関口となる街だ。ここから大きな橋を通過して関空へと到達する。いよいよ終点が近いということだ。  そこでふと、女子高生に目をやった。やはり疲れているのか相変わらず眠りこけている。電車がガクッと大きく揺れて、鞄につけられていた小さな人形もそれに合わせて小さく揺れた。
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「この子、もしかして寝過ごしている?」
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