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高級風俗へ向かう車中、隣には招かざる客が…「この男、化け物ですよ」

風俗マニアが集うLINEグループ「チュッパチャップス」

 さて、幸運が舞い込んだものの、問題は風俗仲間たちだ。これまでも良い風俗があると聞けば西へ、珍しいサービスの風俗店があると聞けば北へ、金が足りなければ消費者金融、海外にだって行った。その傍らにはいつも風俗仲間がいたのだ。  この仲間たちがいたからこそ、大当たりの到来に喜び、大外れの悲劇を悲しむことができた。旅打ち風俗の傍らにはいつも彼らがいた。ただ、今回はそうはいかない。  かなり格式の高い風俗店だ。もちろん1人しか予約できなかった。そもそも大勢でドヤドヤ行くことを想定しておらず、紳士が静かに来店するような店だ。そうなるといつもの仲間を連れていくことはできない。  徳重さんは「仲間には内緒で行く」ことを選択した。あの名店に行くとはだれにも告げず、静かに、厳かに、こっそりと行くことにしたのだ。それは仕方がないことだった。  件の名店は新幹線の距離だった。徳重さんと風俗仲間たちはLINEに「チュッパチャップス」というグループを作っており、そこで風俗談義を繰り広げていた。

「チュッパチャップス」の由来

「なんでチュッパチャップスなんですか?」  そう質問したことがある。すると徳重さんは笑顔で答えた。 「ほら、風俗ってあそこをチュッパチャップスしてもらうわけじゃん」 「なるほど」  あまり「なるほど」とも思わなかったけど一応、そう言っておいた。その日、そのチュッパチャップス内において朝から風俗談義が盛り上がっていたようなのだ。 「今日はどこかいきますか?」 「んー、そうだな、今日は立川の北口あたり攻めようかな」 「あのへん事件があったらしくてかなり物々しいですよ」 「シゲさん(徳重さん)はどこかいく?」  徳重さんにそんな問いを投げかけてきたのは松川さんだった。通称、「百目の松」である。風俗に対する選球眼と風俗嬢の心理を見抜くホークアイが化け物じみているためそう呼ばれている。ある風俗嬢のペットが死んだことを部屋に入って2秒で見抜いたことがあるほどだ。
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カンのいい松川の猛追に徳重さんは……
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