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パートナーを傷つけてまで優先される“正論”はない<モラハラ夫の反省文>

モラハラ加害者達は、なぜ「論理」を振りかざすのか?

【モラハラ夫の反省文】第2回

理屈で攻撃するモラハラ加害者たち

「『俺にわかるように説明せよ』と言われます。いくら説明しても納得してもらえず、話すのも嫌になり、途中からは説教され、結局相手の思い通りになってしまい、とても苦しいです……」(とある女性相談者)  DV・モラハラ加害者が、愛と配慮のある関係を作る力を身につけるための学びのコミュニティ「GADHA」を主宰しているえいなかと申します。  僕自身もDV・モラハラ加害者です。そのせいでたくさんの人を傷つけ、仕事や家庭が破綻寸前になってようやく自身の加害行為、それを生み出す加害的な思考・価値観について省みるようになりました。  この連載では、僕自身の経験や当事者会での気づきを共有していきます。職場や家庭でモラハラに苦しんでいる方々、行ってしまっている方々の参考になれば幸いです。  DV・モラハラ加害者の行動パターンは驚くほど似通っています。  そのうちのひとつに、「わかるように説明せよ」とか、「自分を納得させろ」とか、「論理的に話せ」と言って、結局相手の言い分や希望に応えないというものがあります。

たかが食器乾燥機の入れ方だけで暴れた僕の例

 僕自身もDV・モラハラ加害者として似たような加害をしたことがあります。ある時、自分が食器を洗って片付けるとき、食器乾燥機への入れ方に妻が希望を言ってくれたことがありました。 「乾燥機に入れるとき、こんなふうに入れてくれると乾きやすいから、今度からそうしてもらえる?」とのことでした。  別に攻撃的な言い方でもなかったのに、僕はいきなり頭に血が上って「別にどっちでもいいことじゃない? なぜその方が良いのか論理的に説明してほしい」と言い始めました。  僕からすれば、置き方が多少変わったくらいで乾き方に大した変化はないだろうし、それならば自分のやり方で自由にやりたかったのです。家事は元々好きではないので、そういうことを言われるくらいならやりたくないという気持ちが湧いてきました。  妻は色々説明するのですが、僕は「でもそれって比較して実験したの? 必ずしもそうなるとは限らないんじゃない?」とか 「じゃあ乾燥時間を伸ばせばいいじゃん、わざわざ置き方を変える必要はない」とか、「別にどっちでもよいようなことをわざわざ言わないでほしい。そういうのは抑圧的だ」と、ああいえばこう言うとばかりに反論し、自分のやり方を変えないことを正当化しようとしました。  妻は話していることにうんざりしたのかもう会話をやめようとするのですが、そこにさらに被せるように「途中で議論をやめるくらいなら、最初から人のやり方に文句を言うような主張はしないべきである」などと口撃を続けます。  だんだん表情を失い、無言になり、妻は自分の部屋へと帰っていき、しばらく口を聞かない日々が続きました。僕は「論理的に話していただけなのに傷つくなんて面倒な人だ……早く機嫌を直してくれないと困る」と被害者ヅラで過ごしていました。目も当てられないほどに加害者の振る舞いそのもので、妻に申し訳ない気持ちでいっぱいになります……。
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相手の世界を知ろうとしない愚かさ
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