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コロナは政治であり、宗教戦争だ/倉山満

自分を科学だと信じ込む宗教ほど恐ろしいものはない

新型コロナウイルス 自分を科学だと信じ込む宗教ほど恐ろしいものはない。ついでに言うと、カルト宗教は教祖の予言が外れるたびに凶暴化する。ところで、現代日本で、マルクスやマルキストに似た連中を思い出さないか?  西浦博京大教授とその信者たちだ。  西浦博とは、日本経済を止めろと主張していた「8割オジサン」、昨年の1回目の緊急事態宣言の前に「何もしないと42万人が死ぬ」との計算式を提示、日本政府の国策を今のゼロコロナに追いこんだ。「西浦教祖」と呼ぶ御仁だ。

「何もしないと」などと、ありえない前提だ

 西浦教祖の計算式は専門用語だらけなので誰も批判できなかった。当然、言っていることのすべてが嘘ではない。未知の伝染病に際し誰もが怯えている時に理想形を示したので、説得力があった。だが、時がたつと「何もしないと」などと、ありえない前提に基づいていたとわかる。当然、42万人も死んでいない。西浦教祖の予言は、見事に外れた。だが、なぜはずれたのかを一度として説明したことが無い。それどころか、教祖様は「政府と国民がもっと根性を出せ」としか言わない。  これを甘やかしているのが信者たちだ。上はNHKや週刊文春から、下はSNSで自分が医者の代表であるかの如く非科学的な言説をまき散らす一部の医者まで、自分たちだけが科学的であるかのように振る舞い、西浦教祖の信者が異論を封殺する。だったら、一回でいいから御用以外のメディアで自分の予言が外れ続けている説明をすべきではないのか? なんなら、私が相手になっても構わないぞ。  西浦博! お前が出てこい! 落とし前をつけろ!

コロナは政治であり、宗教戦争だ

 そもそも、今の経済そのものを止めるような自粛は、「コロナがペストやエボラ出血熱のように危険な伝染病かもしれない」との仮説に基づいていた。今でも信じ、怯えている人は多数いる。だが、この仮説は明らかに崩壊した。まともな科学者なら、自説の誤りを修正する。少なくとも理由を説明する。だが、教祖の辞書に「懲りる」「反省する」の文字は無いようだ。
言論ストロングスタイル

新型コロナウイルスによる7月の国内の死亡者数は、2日が最多で25人、12日が最も少なく3人であった 参考/NHK新型コロナウイルス特設サイトより 図版/ミューズグラフィックス

 最近でも西浦教祖は「オリンピックを今すぐやめろ! さもなくば感染者数が東京だけで3000人を超えるぞ」と脅している。だからどうした? 死者数を見ろ。7月に入って日本の死者数は最も多い日で25人、少ない日では3人だ。正気か?  ところで、この狂気からいち早く離脱しかけている人物がいる。東京都知事の小池百合子だ。小池都知事は西浦教祖をさんざん利用したが、最近は「感染者の数を恐れるな」と言い出した。コロナは徹頭徹尾、政治であり、宗教戦争だと思い知れ。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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